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既読がつかない夏  作者: 蒼空
MINA archive

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18/40

第十八話  不明なユーザー

第十八話です。


今回は、

”知らない誰かが混ざる感じ”

を意識して書いていました。


グループって、

一人増えただけで空気変わりますよね。

「......誰だよ」


夜。


レンは自室で、

グループ画面を見つめていた。


  不明なユーザー


黒いアイコン。


プロフィールなし。


追加された時間。


  2:13 AM


しかも。


トーク履歴を遡るたび、

メッセージ数が増えている。


レンは息を止めた。


さっきまで無かったはずの文章が、

少しずつ追加されている。


  『見つかった?』


  『まだいるよ』


  『後ろ見て』


「......っ」


レンはスマホを伏せた。


でも。


数秒後には、

また画面を見てしまう。


まるで、

”確認させられてる”みやいだった。


その時。


新しい通知。


  不明なユーザーが画像を送信しました。


指が止まる。


嫌な汗。


聞きたくない。


でも。


見なければいけない気がした。


レンは恐る恐る画像を開く。


そこに映っていたのは。


暗い教室だった。


誰もいない夜の学校。


窓から差し込む街灯の光。


そして。


教室後方の窓に、

誰か座っている。


白い制服。


長い髪。


俯いた顔。


ミナだった。


レンの呼吸が浅くなる。


でも。


おかしかった。


この写真。


”誰が撮った?”


教室の入り口は、

写真のかなり後方。


つまり。


撮影者は、

ミナのすぐ近くに立っている。


その瞬間。


画像が更新される。


ミナが、

少しだけ顔を上げていた。


「っ!?」


レンがスマホを落としそうになる。


数秒後。


さらに更新。


今度は。


ミナが、

カメラの方を見ていた。


ノイズ混じりの顔。


でも。


口だけが、

笑っていた。



翌日。


レンは教室へ入るなり、

黒川ユウトにスマホを見せた。


ユウトの顔色が変わる。


「......なんだよこれ」


その隣で、

佐伯ナギが小さく呟く。


「この教室」


「え?」


ナギは窓際を見た。


「三年前、

ミナが最後にいた教室」


空気が静まる。


レンがもう一度写真を見る。


暗い教室。


後方の席。


そこは確かに、

今ナギが見ている方向だった。


その時。


ピコン。


グループ通知。


  不明なユーザー

  『今日も来る?』


ユウトが顔をしかめる。


「いや誰なんだよマジで」


その瞬間。


ナギが固まった。


スマホを見つめたまま、

小さく震えている。


「......佐伯?」


ナギは、

ゆっくり画面を見せる。


個人メッセージ。


送り主。


  不明ユーザー


内容。


  『まだ言ってないよね』


レンの背筋が冷える。


「.......何を」


ナギは答えない。


その表情だけで、

レンは理解してしまった。


ナギは、

まだ何か隠している。



放課後。


三人は、

誰もいない旧校舎へ向かっていた。


ミナの写真が撮られた場所。


古い廊下。


薄暗い階段。


窓の外では、

夕暮れの空が赤く染まっている。


ユウトが小さく言う。


「ホラー映画すぎるだろ」


誰も笑わない。


教室の前へ辿り着く。


扉は少しだけ開いていた。


ギィーー


レンがゆっくり開ける。


暗い教室。


並んだ机。


誰もいない。


.......はずだった。


教室後方。


窓際の席。


そこに。


スマホだけが置かれていた。


画面が白く光っている。


三人とも動けない。


そのスマホ画面には、

グループチャットが表示されていた。


最後のメッセージ。


  『来てくれてありがとう』


送信時刻。


たった今。


その瞬間。


教室の後ろから、

シャッター音が鳴った。


カシャ。


レンたちは同時に振り返る。


誰もいない。


でも。


教室の黒板に、

白い文字が浮かんでいた。


  5人目はだれ?


読んでくださってありがとうございました。


今回は、

”知らない人が混ざってる感じ”

を少し強めにしていました。


グループチャットって、

人数表示見るだけで妙に不安になる時ありますよね。


あと、

夕方の学校って静かすぎて結構不安です。

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