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元プロゲーマー、VRで銃が当たらないので投げナイフだけで無双します。  作者: 那須 儒一
三章 NF杯編

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55話 打ち上げ

「「KPケーピー!」」


狭苦しいボロアパートで、なぜか打ち上げが行われている。


チーム︰俺たちに加えて……なぜか、まいちゃん、みさきかえでもいるし……。


……ただ、由里ゆりは来なかった。

あいつ、そういえば人見知りだったな。


「あっ、泉〜、春巻き食べさせて〜」

俺の膝の上に乗っているこのゴスロリっ娘は誰だ?

黒髪にピンク色のメッシュが入っている。


「ところで君は……?」


「ん〜うまっ!」

春巻きを食べることに一生懸命で、俺の話なんざ聞きちゃいない。


「海人くん……その子は誰なの?」

舞ちゃんの笑顔が引きつっている。


「誰なのか……俺が聞きたい……」


「すみません……私の先輩が……」

薄緑髪のゆるふわメガネっ子が頭を下げる。


「君は……ええっと……」


内宮うちみや春香はるかです!

東雲しののめミリアの中の人です☆」

彼女は目元で横Vサインをしてみせる。


「ああ……ミリアちゃんか。

実物も可愛いんだね……」


「えっ……そ、そんなこと……」

春香ちゃんは頬を抑え首を左右に振る。


「こらっ、春香!

私の彼氏に色目を使うでない!」


膝の上の女の子がなんか、叫んでる。


「泉先輩も隅に置けないっすね。

いつの間に手を出したんすか?」


「岬、俺は断じて手は出していない!」


「手じゃなくて、別の部分を出したってか!」

オールバックのおじさんが豪快に笑う。


「やさぐれニキさん……変なこと言わないでください!」

春香ちゃんが声を荒げる。


「変なことてなんですかぁ?」

楓がわざとらしく春香ちゃんに尋ねる。


「う……それは……」


「春香はむっつりだからの……」


「くるみ先輩、やめてくださいよ!」


「くるみ……キミは、くるみちゃんって言うの?」


「おっ、ようやく私に興味を持ったか……私は神崎くるみ……Vでは甘噛シュガーとして活動してるから」


「ああ〜実況席の人か……」


「……えいっ!」


「んぎゃあ!」

横から来た茜ちゃんが、俺の膝の上に乗っているくるみちゃんを突き飛ばした。


「な、何をする!?」


「……けっ」

茜ちゃんは、くるみちゃんを一瞥すると、俺の膝の上に座った。


「……どうしたんだ、茜ちゃん?」


「泉……鼻の下伸びてた……私で我慢して」


「我慢って、茜ちゃんが座っても嬉しいよ」


「なっ、私の場所なのにっ!」

今度は、くるみちゃんが、茜ちゃんに飛びかかり、部屋の隅でじゃれ合う。


「おい、狭いんだから暴れるなよ――ふげっ!?」


今度は、楓が俺の膝の上に乗る。


「海人くん……なんか、重そうなリアクションね……失礼じゃない?」


「いや、そんなことはないぞ……」


「本当に? えいっ! えいっ!」


「ちょっ、楓……やめろって……」

楓のお尻が俺の膝の上で跳ねる。


「あれ〜海人くん……なんか、硬いものが当たっているんだけど?」


「おい、適当なこと言うなよ!」

俺は全力で否定した。


「うわぁぁぁぁ!」

今度は舞ちゃんが膝の上の、楓を突き飛ばした。


「きゃあ!?」


舞ちゃんは頬を赤らめながら、俺の膝の上に座る。


「か、海人くん……やっぱりこういうのは、早いよね……」


なぜか、頬を赤らめ、舞ちゃんは膝の上から立ち上がった。


……別に早いも遅いもないと思うけど。


「舞ちゃんよくも!」

今度は、楓が舞ちゃんに飛びかかる。


「若いってのはいいねぇ〜」

やさぐれワンカップさんは、この騒がしい中、一人でちびちびとワンカップを飲んでいる。


「まったく、皆さん元気っすね……膝に座るのってどんな感じなんすかね……」


岬がぼそっと俺の隣でこぼす。


「岬……試してみるか?」


「ええっ、ウチはいいっすよ……」


「なら岬ちゃん。一緒に座りましょ!」


春香さんが岬の肩を掴み、あぐらをかいている俺の左右の太ももに二人が乗る。


「ちょ……重っ!」


「あっ、重いって言ったっすか!?」


「泉さん……ノンデリですね!」

二人は、なぜか俺の左右の膝で跳ね出す。


「い、いたって……や、やめてくれ……」


嬉しいといえば嬉しい。

でも、やめてくれ!

俺の理性があるうちに降りてくれ。


「ふぅ、これ以上は本当にやばかった」


「泉先輩……セリフと行動が一致してないっすよ」


「はっ!」

俺は無意識に二人の腰へ手を回し、内側に引き寄せていた。


「泉さん……私も悪ノリをしすぎていました」

春香さんが立ち上がり、頭を下げる。


「べ、別に……これくらい大丈夫ですよ!」


「なんか、残念そうっすね!

ウチは眼中にないんすか?」


まだ膝の上に乗っていた岬が、なぜか怒り出した。」


「いでででで!」


岬の両手が俺のほっぺたを引っ張る。


「岬、ごめんって……岬だって可愛いほうだよ!」


「なんか、上からっすね……しかも、誰かと確実に比べてるっすよね?」


岬に押し倒され、今度はお腹の上に乗っかる。


「ぐふぇ……く、苦しい……吐きそう……」


「泉先輩は! いつも! 思わせぶりな、態度でっ! 誰にでも優しくて……うっ……ううっ……」


えっ、ええっ!?


なんでか、岬が泣き出した。


「海人くん、岬ちゃんに何したんですか!」

ケンカしていた舞ちゃんと、楓が戻ってきた。


「もしかして、先輩という立場を利用して、自分のお腹の上に座らせたのね?」


「楓……俺がそんなことするような人間に見えるか?」


「春香ちゃん……一部始終を見ていたんでしょ?」

舞ちゃんが春香ちゃんに尋ねる。


「泉さんが強要していました……」


「やっぱり……」

楓がため息をつく。


「そんな……俺は無実だ〜!」


「ごめんね。泉さんが罰を受けないと、岬ちゃんが可哀想だったから……」

春香ちゃんがそっと耳打ちをする。


この後、舞ちゃんと楓の合体で、ひどい目に合わせられた。


茜ちゃんとくるみちゃんは、じゃれ合っている内に寝ているし、やさぐれワンカップさんもウトウトしている。


おおよそ、打ち上げと呼べるような会ではなかった。

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