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元プロゲーマー、VRで銃が当たらないので投げナイフだけで無双します。  作者: 那須 儒一
二章 フルパ編

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23/79

23話 ランクマッチ

今回ピックしたヒーローの解説を後書きに記載しています。


NF(ネオンフラグ)――ランクマッチ。

戦いを勝ち抜くことで、ポイントを積み重ねランクを上げていくゲームモード。


ランクは下から順に、

ブロンズ

シルバー︰羽袖はねそでキララ

ゴールド︰犬柴いぬしばアカリ

プラチナ︰

ダイヤ︰霧雨きりさめレイ

マスター︰神宮寺じんぐうじムラサキ

レジェンド

となっている。


特にレジェンドは、各サーバーで上位500名しか到達できない狭き門。


プロゲーマーに至るには全シーズン、

安定してレジェンドを維持することが最低条件だ。


俺はかつて、

日本サーバーでレジェンド3位まで上り詰めた。


今の俺では、水面の月を掬うぐらい、

絵空事の話だ。


みつるは、

今シーズン――レジェンド2位の傑物。

 

どれだけかかっても、

あいつの元へ……必ず辿り着いてみせる。


§


ルミナスイリアも、所属Vが四人になったことで、

本格的にチームでランク戦を回すことになった。


浅場さんとしては、

プロゲーマーチーム“アルセイド”を競技の主軸にして、VTuber事務所である“ルミナスイリア”は、

NF(ネオンフラグ)を別の切り口から盛り上げるために立ち上げたそうだ。


基本的にNF(ネオンフラグ)の配信活動を月に一回すれば、他の配信活動に大きな制限はない。


……俺は、期待されていないってことだ。


それでも……俺は……。


試合開始(ジャックイン)


決意とともに、視界が暗転する。


このゲームはランク差によるパーティー制限はない。つまり、誰とでもランクマッチをできるんだ。


ただし、チームの最高ランク帯まで、内部レートが引き上げられるため、神宮寺ムラサキ――彼女の現在の実力に合わせた、マスター帯を相手にしなければならない。


実質、プロ予備軍のランク帯だ。

厳しい戦いになるだろう。


§


マップ︰ダストヴェイル

砂塵舞う、砂漠地帯と遺跡が混在したマップだ。


左右のAサイト、Bサイトを分断するように、

砂レンガの道が一直線に伸びている。


このロングはスナイパーを置くのが定石。


「最初は攻撃サイド。

野良の人の動き次第だけど、キララとアカリちゃんは俺と、Aサイトを攻めてくれ!」


野良の一人――やけに手の込んだアバターだな。

白いドレスに、細かく編み込まれた白銀の髪。

青白いティアラとイヤリングが、彼女の輝きを彩っていた。


彼女は、俺を一瞥すると

Bサイトへ向かった。


「ムラサキは、あの子のフォローに行くねぇ」


さすがマスターランク。

彼女に俺の指示は不要か。


「よしっ、俺たちも行くぞ!」


「あの……レイちゃん。

キララちゃん、もう行っちゃった……」


少し目を離した隙に、キララが中央の道を、砂レンガを踏みしめながら、駆けていく。


「おらおら、男ならかかってこいよ!」


お前はいつの時代の不良だ……。


「ったく、あの馬鹿……」


遥か遠くで銃口が閃く――案の定、

キララ、めがけて敵スナイパーが弾丸を放つ。


「まずいっ!」


アビリティ︰ショルダータックル


キララは突進して、肩で弾丸を弾き、中央の道を進む。


ゴリ押しにも程があるだろ……。


キララが使用している“ブレイカー”は前線を突破するエントリーヒーローだ。


「だが……脳筋プレイで倒せるほど、甘い敵じゃないぜ」


アビリティ︰ドッペルゲンガー


俺は二体の分身を出す。

キララの後を追うように、二体の“フロッグ”が、通路を駆ける。


キララが半分ほど進んだところで、

アビリティ使用後――1秒間の硬直に入る。


直後、道の中間地点――左側、Aサイトに繋がる通路から、敵影が現れる。


「ぎゃああああ!」

ギャルの断末魔とともに、キララは至近距離でサブマシンガンに撃ち抜かれた。


――空に青い光が立ち上る。


4VS5


「レイっち! めんご!」


「仕方ない……」


キララのお陰で、二人、敵の位置とおおよそのヒーローは割れた。


遅れて、分身を含む俺のヒーロー二体が、キララの死体をまたぐ。


左側の敵を無視して単調な動きで、中央の道を突っ切る。


残された1体の“フロッグ”とアカリちゃんは、

初期位置から当初の予定通り、Aサイトへ向かった。


§


敵スナイパーは変わらず、中央のロングを見張っていた。


その、目前まで、俺の二体の影が迫る。


――かかったな。


上手いプレイヤーほど、“フロッグ”の分身をわざわざ撃ち抜かない。


左の敵を目の前でスルーしたこと、

初期位置に俺の影を残しておいたことで、

――完全に分身だと信じ込ませることができた。


スナイパーの虚を突き、

目の前で奴の脳天に――投げナイフを突き刺す。


敵は目を見開き、赤い光とともに消え去った。


4VS4


ふぅ、撃たれないかは、賭けだったが、

信用してたぜ――相手の実力を――。


スナイパーを扱えるヒーローがいない、こちらにとって、ロングを抑えたのは大きい。


「レイちゃ〜んが消えちゃった!」


ボイスチャットからアカリちゃんの泣き声が聞こえる。


敵を騙すために、分身をわざと見せつけるように初期位置に残したからな。


まさか、アカリちゃんまで騙されるとは……。


直後、ムラサキのデスログが流れる。


「くっそ、あいつら――キモい罠、張りやがって!」


ボイスチャットからムラサキの怒声が漏れ聞こえる。


えっ、今の誰?

天使のムラサキちゃんから、汚い声が……

う、ウソだよね?

素が漏れてるぞw


コメント欄がざわついている。


「みんな、心配いらねえよ。

これが、本当のムラサキだから」


「えぇ~、みなさん!

今のはムラサキじゃ、ありませんよぉ〜。

そんなこと、言うわけないじゃないですかぁ」


「ムラサキパイセン……パネェっす」

キララも若干引いている。


他のゲームと同様にデスしても、

ボイスチャットは使用できる――というか、そもそもPC上の別アプリで話しているからNF(ネオンフラグ)のシステムとは一切関係ない。


3VS4


味方の野良はBサイトで生き残っているみたいだな。


直後——Bサイトで敵のデスログが二つ流れる。


3VS2


……武器はレイピア!?


「近接武器でマスター帯を二人倒したのか?」


あの、野良……めちゃくちゃだ。


「この人、強すぎっす!

読み合いがパネェっす!」

キララが騒いでいる。


なんか、味方に化け物いるぞ

何が起こったか見たかった

キララちゃんの観戦画面見てたけど、あの可愛い子めちゃくちゃ強いぞ!


コメ欄も沸いている。

キララの配信を見ている人もいるのか。


「キララとムラサキは、観戦画面で野良の人の様子を見てくれ!」


「もお、見てるよぉ。Bサイトは敵はいないっぽい。野良が、ボムをBサイトに仕掛けているよぉ」


「アカリちゃんは引き返して、

初期位置経由で、Bサイトにフォローお願い。

俺は——裏を取るから」


「わかった!」


残り二人は確実にAサイトにいる。

Bサイトに抜ける、敵スナイパーがいた位置か、

中央の道を横切る必要がある。


Bサイトにボムが設置された。

敵も、もたもたしている時間はないはずだ。


「えっ、ウソっ!」

アカリちゃんの叫び声とともに、デスログが流れる。


2VS2


「そっか、初期位置にいた俺が分身だと割れたから、敵二人は、アカリちゃんが一人なのに気づいて、攻めてきたのか——」


なら、敵は俺たちの初期位置を通るはず。


このまま、裏からBサイトに向かうか、

それとも……。


いや……こいつを使うか——。


ウルト︰グランドエスケープ


“フロッグ”の必殺技で空に大きく飛び上がる。


見つけた!


俺たちの初期位置で敵二人がBサイトに向かって、

走っている。


NF(ネオンフラグ)は平面的な戦いをする場面が大半だ。


だから、大半のプレイヤーは空なんて警戒しない。


天空から二本の投げナイフが閃く——。


華麗なダブルキルとともに——1ラウンド先取した。

§ヒーロー§

基本耐久値100

アバター作成できるため、

外見からヒーローの判別はできない。

近接攻撃不可。特定のヒーローのみ例外あり。


【フロッグ】 霧雨レイ

ラーク特化のキャラ。

機動力と隠密で敵の懐に入るのが基本的な立ち回り。撃ち合いには不向き。

ランク使用率最下位で1%未満。


パッシブ︰サイレントステップ

移動時の足音を大幅に軽減。機動力も上がる。

常時発動。


アビリティ︰ドッペルゲンガー

分身を二体までだす。簡単な行動パターンなら動かすことができる。

リキャスト20秒。


ウルト︰グランドエスケープ

マップの選択した地点まで大ジャンプをする。

壁の高さによっては乗り越えられる。

飛べる距離に制限あり。

毎ラウンド1回使用可能。


メイン︰ハンドガン

小回りが利き、機動力にボーナスがつく。


サブ︰投げナイフ✕二本

ヒットすれば、一撃必殺。

ただし、再使用には投げナイフを回収する必要あり。


【セラ】 犬柴アカリ

回復を得意としたヒーラー。

チームのバイタルを支える衛生兵。


パッシブ︰セルアクセラレート

時間経過とともに微量に自身の耐久値を回復していく。1/S(秒)回復。


アビリティ︰ニューイヤーギフト

ボールを投げ、当たったヒーローの耐久値を50回復させる。

ただし、敵に当たった場合、敵を回復する。

リキャスト30秒。


ウルト︰リインカーネーション

仲間のヒーローを蘇生させる。

ただし、死亡した場所に手を置く必要がある。

1ゲームで一度のみ使用可能。


メイン︰サブマシンガン

小回りの利く銃。近〜中距離での戦闘向き。


サブ︰ハンドガン


【シガー】 神宮寺ムラサキ

煙幕を使い、場を撹乱する。

射線を潰したり、地点を確保する際の足掛けとなる。


パッシブ︰ヘビースモーカー

サイドストリーム内に入ると、5秒間、

機動力が1.2倍になる。


アビリティ︰サイドストリーム

タバコを投げ、煙幕を貼る。

リキャスト20秒。


ウルト︰スモーキングハイ

機動力1.2倍、パッシブと併用可。

耐久力100→120。

2ラウンド毎に使用可能。

使用した次のラウンドは使用不可となる。


メイン︰アサルトライフル

安定した撃ち合いができる小銃。

これ一本あれば、どんな状況にも対応できる万能武器。


サブ︰ハンドガン


【ブレイカー】 羽袖キララ

エントリーヒーロー。

継続戦闘に優れており、前線維持や前線突破の役割りを担うことが多い。


パッシブ︰マッスルボディ

耐久値が常時100→120になる。


アビリティ︰ショルダータックル

肩を突き出し突進する。突進中は無敵になるが、一直線にしか、進めない。

ダメージ20

使用後に一秒硬直がある。

毎ラウンド1回使用可能


ウルト︰アースクエイク

地面にトールハンマーを打ち付け、半径10メートルに衝撃波を放つ。

ダメージ100

壁貫通する。1ゲームに一度のみ使用可能。


メイン︰アサルトライフル


サブ︰サブマシンガン


【グレイシャル】 謎の野良


パッシブ︰スノウカーテン

粉雪をまとい、自身の位置を誤認させる。

射撃時ミニマップに映らない。

敵視点で狙った位置と実際の位置にズレが生じる。体感的にはラグのように感じる。


アビリティ︰アイシクル

半径2メートルの巨大な氷柱を落とす。

ダメージ20、直接ヒットすることはまずない。

氷柱は壊されるまで存在し続ける。

耐久値300

足場や壁として活用できる。

毎ラウンド1回使用可能。


ウルト︰スノーバイト

氷の狼を走らせる。噛まれると爆ぜる。

ダメージ50

ヒット時は5秒間敵の視覚が遮断される。

素早いが、射撃で簡単に壊れる。

2ラウンドに一度使用可能。

使用後は次のラウンドは使用不可になる。


メイン︰サブマシンガン


サブ︰レイピア(近接武器)

射程距離1m

ダメージ50


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