一瞬で現場に到着した。
視界に入ったのは、男性冒険者が女性の前に立ちはだかった状態で、剣を構えている光景だった。
女性は地面に尻餅を付いていて、ガタガタと身体を震わせているみたい。
着ている衣服がボロボロなのを見ると、何かとんでもない事が起きてる事が何と無く分かる。
肌から血も出ているから怪我もしているみたい。
因みに女性を衛るように前に立っている男性冒険者は、見た事の有る人だった。
レミィンダティナ
「 ラティダさん──!! 」
レンディムダンテル
「 テイナの知り合いか? 」
レミィンダティナ
「 えと──、うん!
そう!
知り合いだよ!! 」
レンディムダンテル
「( 俺のテイナに男の知り合いだと?! )」
ラティダさんは武装した数人の同業者と対峙していた。
何で冒険者のラティダさんが、冒険者達と対峙して剣を構えてるの??
途中から来たから状況が全く分からないよ──。
レンディムダンテル
「 取り敢えず、テイナの知り合いに加勢するぞ 」
レミィンダティナ
「 うん!! 」
ニィニは大剣を振り上げると、武装している数人の冒険者達の前に立ちはだかる。
ラティダ
「 ………………えっ!? 」
突然現れた加勢に対して、ラティダさんは驚いた表情をして短い声を漏らす。
武装している冒険者達も突如現れたニィニに対して、乱暴な口調で声を上げている。
攻撃的な冒険者達の事はニィニに任せたら良いよね!
アタシは小型犬セフィを抱だっこしたまま、ラティダさんへ駆け寄った。
レミィンダティナ
「 ラティダさん、大丈夫ですか? 」
ラティダさんも随分とボロボロになっていて、構えている剣なんて刃は溢こぼれしている。
ラティダ
「 レ…レミィンダティナ──どうして此こ処こに!? 」
レミィンダティナ
「 悲鳴が聞こえたから──。
恐い人達はニィニレンディムダンテルに任せたら良いいよ!
ラティダさんとお姉さん、怪我してるよね。
手当てしよう! 」
アタシは収納力りょく抜群の魔法マジックの鞄バッグから救急箱を取り出だす。
アタシは傷を癒いやして完治させる回復ヒール魔法マジックを使えない。
だから、救急箱に頼るしかないんだ。
アタシは怪我の酷ひどいお姉さんの手当てから始める事にした。
看護に精通している訳じゃないから応急処置とは言えないけど──、清潔な水で汚よごれを落として、清潔な手巾ハンカチで水を拭き取る。
清潔な手巾ハンカチに消毒液を含ませて、傷きず口ぐちを消毒していく。
消毒が終わったら包帯を巻く。
アタシはプロじゃないから、手当てに慣れているラティダさんも手伝ってくれた。
お姉さんの手当てが一ひと段だん落らくしたら、ラティダさんの番ばん。
今こん度どは手当てにお姉さんが手伝ってくれた。
ラティダ
「 有あり難がとう、レミィンダティナ…… 」
レミィンダティナ
「 ≪ フィッツ村 ≫に戻ったらち・ゃ・ん・と・回復ヒール魔法マジックで治なおしてもらってね 」
ラティダ
「 あぁ……。
ハリサー、大丈夫か? 」
ハリサー
「 えぇ……。
何なんとか動けるわ…… 」
ラティダ
「 俺も加勢を── 」
レミィンダティナ
「 無理しないで!
刃は溢こぼれしてる剣で戦うなんて危ないよ!
ニィニレンディムダンテルが懲こらしめてくれてるから── 」
ニィニレンディムダンテルの方ほうへ目を向けると、既すでに決着が付いていた。
元もとノクタルルド公国近衛騎士団第2騎士団団員長を相手に勝てる訳が無いよね。
レミィンダティナ
「 ニィニレンディムダンテル──、お疲れ様!
怪我はしてない? 」
レンディムダンテル
「 問題無い。
全まったく……コイツ等らは、お前まえ達に何なにをしたんだ?
お前まえがテイナレミィンダティナの “ 知り合い ” だと言われたから助けはしたが── 」
レミィンダティナ
「 お姉さん……服がボロボロだね。
アタシのマントを貸すから身体からだを隠してね 」
ハリサー
「 有あり難がとう、助かるわ…… 」
魔法マジックの鞄バッグから取り出だしたマントをお姉さんハリサーに手渡した。
レミィンダティナ
「 お姉さんハリサーは恐い人達から乱暴を受けてたの?
叩たたかれたり、蹴られたような痕あとが見えるから── 」
ハリサー
「 ………………仲間が居いたの……。
怪物モンスターとの戦闘で負ふ傷しょうして、手当てが必要だったの……。
手当てをしている最さい中ちゅうに別の怪物モンスターに襲われて──。
彼女は……彼かれ等らから囮おとりにされてしまって── 」
ラティダ
「 …………その怪物モンスターは通とおり掛がかった俺のパーティが倒したよ。
女性は瀕死の重じゅう傷しょうでな、持っていた回復薬やくを飲ませて、仲間に≪ フィッツ村 ≫へ運んでもらったんだ。
俺は残って、連れて行かれてしまった彼女ハリサーを追った訳さ。
追い付いたら、彼女ハリサーが奴ヤツ等らから暴力を受けていたから、助けに入はいったんだ。
1人で4人の相手は厳しくて、こんな様ざまになってしまって── 」
レミィンダティナ
「 1人で4人の相手は無茶だよ……。
でも、無事で良よかったぁ~~ 」
レンディムダンテル
「{ コイツ等らの処遇はど・う・す・る・気だ? }」
小型犬:セフィ
「{ エイミは彼かれ等らをど・う・し・た・い・ですか? }」
レミィンダティナ
「 か弱い女性を複ふく数すう人にんで囲んで乱暴するなんて許せないよ!
許しちゃ駄目だと思うの。
このまま見み逃のがしたら、第2第3の被害者が生うまれちゃうかも知れない……。
怪物モンスターの巣そう窟くつにポイしちゃえば良いいんじゃないのかな? 」
だって此こ処こは平和ボケした故日郷本じゃなくて、殺やらなければガチマジで殺やられちゃう異世界だから──。
野の放ばなしにしたら、間違いなく確実に新しい被害者が簡単に生うまれちゃう世界だから──。
成敗の出来る範囲で悪あく人にんは成敗しないと──って思うんだ。
小型犬:セフィ
「{ エイミの思いを汲くみます。
彼かれ等らは怪物モンスターの巣そう窟くつへポイしましょう }」
セフィ白狼神フェンリルは精霊魔法──転移魔法を使ってくれた。
地面に倒れている冒険者達が身に付けていた衣類や装備品ひんなんかは残った状態で、姿が消えちゃった。
小型犬:セフィ
「{ 衣類や装備品ひんは戦利品ひんとして回収しましょう。
精霊達が新しん品ぴんに戻して金銭に変えてくれます }」
レミィンダティナ
「{ 精霊さんって其そ処こ迄してくれるんだね }」
4名めいの冒険者達の姿が、パッと消えちゃってラティダさんもハリサーさんも驚いている。
レミィンダティナ
「 不思議な現象が起きちゃったね!
〈 大陸神しんノクターム 〉が神隠しされちゃったのかな~~? 」
レンディムダンテル
「 そうかも知れないな。
悪わるさをした神しん職しょく者しゃ,聖せい職しょく者しゃから全身の毛を消してツルッパゲにするくらいだからな。
神隠しくらいするかも知れないな 」
レミィンダティナ
「 だよね!
悪わるい事はしちゃ駄目だよね! 」
小型犬:セフィ
「 わん! 」
レンディムダンテル
「 2人共とも歩けるか? 」
ラティダ
「 何なんとかな 」
ハリサー
「 私も歩けます 」
レンディムダンテル
「 ≪ フィッツ村 ≫に戻るぞ 」
レミィンダティナ
「 暗くなる前まえに着くと良いいんだけど…… 」
小型犬:セフィ
「{ 精霊がカルザベンカルマザダイカーを呼んでくれましたよ。
カルザベンカルマザダイカーには2人を乗せて運んでもらいましょう }」
レミィンダティナ
「{ セフィ、有あり難がとう♪ }」
暫しばらく歩いていたら、カルザベンカルマザダイカーが走って来くる姿が見えた!
レミィンダティナ
「 カルザ! 」
カルザベンカルマザダイカーは太い尻尾を元気に振りながら、アタシに頬ほお擦ずりしてくれる。
レミィンダティナ
「 カルザ、来きてくれて有あり難がとね。
怪我をしてる2人を背中に乗せて≪ フィッツ村 ≫まで運んでくれる? 」
カルザ
「 がう 」
カルザベンカルマザダイカーはラティダさんとハリサーさんが乗り易いように、お腹を付けるよう地面にし・ゃ・が・ん・で・くれる。
ラティダさんとハリサーさんは御互いの顔を見合わせながら、恐おそる恐おそるカルザベンカルマザダイカーの背中を跨またぐと腰を下おろして座すわる。
カルザベンカルマザダイカーはゆ・っ・く・り・と立ち上あがると慎重に歩いてくれる。
ニィニレンディムダンテルは主人あるじ以外の人間を背中に乗せてくれているカルザベンカルマザダイカーの頭を撫でてくれている。
カルザベンカルマザダイカーも満まん更ざらでも無さそう。
──*──*──*── フィッツ村
カルザベンカルマザダイカーが駆け付けて来きてくれたお・蔭・で何なんとか暗くなる前まえに≪ フィッツ村 ≫に戻る事が出来た。
カルザベンカルマザダイカーには何なにか御礼をしないとだね!
先まずは怪我人のラティダさんとハリサーさんを《 医療街がい 》へ連れて行く事にした。
《 医療街がい 》で確しっかり治療して、療りょう養ようして、元気になってほしい。
冒険者に復帰するか決めるのは、ラティダさんとハリサーさん自身の問題だから、アタシは余計な事を言わないように気を付けないとね!