⭕ ツルッパゲの宴 2
──*──*──*── 中神殿・前
マルチェントティスナ
「 レミィ、着いたぞ。
此処が≪ 都 ≫で唯一の《 グロワナル中神殿 》だ 」
レミィンダティナ
「 ふわぁ~~~~!
凄く立派な建物だね!
無駄使いが過ぎる《 中神殿 》だね 」
セフィ
〔 精霊達は《 神殿 》を嫌っています 〕
レミィンダティナ
「 そうなの?
《 神殿 》は精霊さん達に嫌われるような事をしてるって事? 」
セフィ
〔 そうです。
神職者には心を許さないようにしてください 〕
レミィンダティナ
「 う…うん…… 」
マルチェントティスナ
「 セフィの言う通りだな。
金と贅沢が好きなブタヌキが多い “ 魔の巣窟 ” だと思った方が良い。
神職者も聖職者も上へ上がれば上がる程、腐敗しやがるからな~~。
神職者も聖職者も禁欲が義務付けられてるから異性に手は出さないが、子供を見る視線は厭らしいんだ 」
レミィンダティナ
「 へ? 」
マルチェントティスナ
「 瞳の奥には “ いけない欲望 ” が渦巻いてるのさ。
レミィは可愛いからな、重々気を付けろ。
部屋に連れ込まれたら無事では済まないぞ 」
レミィンダティナ
「 えぇっ!? 」
セフィ
〔 安心してください、エイミ。
不届きな神職者は絞めますからね♪ 〕
レミィンダティナ
「 善人の皮を被った神職者が……無力な子供に性的な目で向けて、容赦無く性的虐待をするって言うの??
そんな神様の信頼を裏切る最低な行為を異世界の神職者も当たり前にやってるって事!? 」
マルチェントティスナ
「 判断力の弱い子供は騙し易いし、チョロいからな。
自分が何をされているのか理解も出来ない世代だ。
レミィは驚かないのか? 」
レミィンダティナ
「 …………アタシの故郷にも似たような事を当然の権利みたいに職権を悪用する聖職者が居たから……。
被害者の子供達は……親にも相談が出来なくて……被害者だって事を声を上げて伝える事すら許されなくて……泣き寝入りしか出来なくて……悲しんで……悔しい思いをして……大人になっても忘れられなくて……ずっと苦しんでる……。
そんな人達が……いっぱい居たから── 」
マルチェントティスナ
「 レミィの故郷にも?
そうか──。
クズは何処にでも居るんだな 」
レミィンダティナ
「 うん……。
逆らえない弱い子供に欲望を吐き出して、喜んでる神職者は最低だよ!
神職者の風上にも措けないし、神様に遣える資格なんて無いよ!
自分から神様に遣える資格を捨ててるのと同じだよ!
神職者の資格を剥奪して、犯罪奴隷に落として、酷しい罰を与えちゃえば良いんだよ!! 」
セフィ
〔 エイミが言うなら、そうしましょう 〕
レミィンダティナ
「 え? 」
セフィ
〔 全身脱毛は生温い刑でしたね 〕
マルチェントティスナ
「 レミィの貞操はオレが守るからな。
任せろ★ 」
レミィンダティナ
「 有り難う、お姉ちゃん(////)」
そんなこんなでアタシとお姉ちゃんは依頼を出した相手と面会する為、《 中神殿 》の敷地内に入った。
──*──*──*── 中神殿・敷地内
シスター
「 ──此方です 」
マルチェントティスナ
「 案内ご苦労、レディ 」
シスター
「 い…いえ……(////)
メリィナと呼んでくださいませ(////)」
マルチェントティスナ
「 そうか?
助かったよ、シスターメリィナ 」
レミィンダティナ
「 有り難う御座います。
シスターメリィナ 」
シスターメリィナは軽い会釈をすると下がって行った。
レミィンダティナ
「 この部屋に依頼書を出した依頼人が居るんだね 」
マルチェントティスナ
「 どんなに脂ぎって醜いブタヌキが出迎えてくれるんだろうな 」
レミィンダティナ
「 脂ぎって醜いブタヌキって── 」
セフィ
〔 楽しみですね 〕
お姉ちゃんはドアをノックした。
室内から「 どうぞ 」と声がする。
お姉ちゃんがドアを開けてくれる。
──*──*──*── 室内
マルチェントティスナ
「 失礼するよ。
依頼を受けた【 ベラチヲ 】だ 」
神職者
「 ようこそ御越しくださいました。
私は司教様の代理を仰せつかっているメルダニと申します 」
立派な椅子に座っていた桜色の髪をした綺麗な男性は、椅子から腰を浮かせて立ち上がると丁寧に挨拶をしてくれた。
レミィンダティナ
「( この人は禿げてないね )」
セフィ
〔 〈 大陸神ノクターム 〉の信頼を裏切っていない神職者のようです 〕
レミィンダティナ
「( 取り敢えずは “ 信用しても良い人 ” って事だよね? )」
セフィ
〔 そうですね 〕
マルチェントティスナ
「 初めまして──うん?
メルダニ??
聞いた事の有る名前だな── 」
メルダニ
「 私は覚えていますよ、錬金術師様。
《 魔術具店 》を閉店して冒険者に転職されたのですか? 」
マルチェントティスナ
「 いや、閉店はしてない。
長期休暇にしてるだけさ。
オレを知ってるのか── 」
レミィンダティナ
「 お姉ちゃん、知り合いなの? 」
マルチェントティスナ
「 う~~ん…………覚えが無いな 」
メルダニ
「 ………………それは…仕方無いかも知れません。
ほんの数日、お世話になっただけでしたし…………私も幼かったので…… 」
レミィンダティナ
「 子供の頃にお姉ちゃんと会った事が有るんだ 」
メルダニ
「 君は……錬金術師様の弟子ですか? 」
レミィンダティナ
「 えと……義妹です。
色々あって、家族になったんです 」
メルダニ
「 家族に──。
そうですか。
本日は依頼を受けてくださり有り難う御座います 」
マルチェントティスナ
「 毛生え薬が必要らしいな 」
メルダニ
「 はい。
毛髪専用の毛生え薬ではなく、全身の毛根に効果の有る毛生え薬を御所望なのです 」
レミィンダティナ
「 依頼書には、『 抜けた全身の毛を生やす薬を探してほしい 』って書かれてたね。
その毛生え薬を使うのは…………本来、其処に座っている筈の司教様……ですか? 」
メルダニ
「 はい、そうなのです。
というか……上層部の先輩方と言いますか……。
1人や2人ではなく…………なので毛生え薬は最低でも10本は必要なのです…… 」
レミィンダティナ
「 10本も要るの?
そんなに全身の毛が抜けちゃった偉い人達が居るんだね…… 」
メルダニ
「 お恥ずかしい話ですが…… 」
マルチェントティスナ
「 …………こんな話を聞いた事はないか? 」
メルダニ
「 どの様な話でしょうか…… 」
マルチェントティスナ
「 〈 大陸神ノクターム 〉の信頼を裏切る事を続けると、全身の毛が抜け落ちる事が有る──っていう言い伝えだな 」
メルダニ
「 『 〈 大陸神ノクターム様 〉の信頼を裏切り続けると、全身の毛が抜け落ちる── 』そうなのですか!?
私は初めて聞きましたが…… 」
マルチェントティスナ
「 何だと?
〈 大陸神ノクターム 〉を信仰神の依処として遣えているのに知らないのか?
聖職者も知らないのか? 」
メルダニ
「 ……………………長く《 中神殿 》に遣えていますが初耳ですので──、《 教会 》の聖職者達も知らぬやも知れません…… 」
マルチェントティスナ
「 知らないとは “ とんだ怠慢 ” だな。
いや、敢えて知らされていなかったのかな?
理由はどうあれ、〈 大陸神ノクターム 〉の信頼を裏切る事を続けると、全身の毛が抜け落ちる──ってのは事実だ。
同様の被害者を出さない為にも早目に弘めた方が良いかも知れないぞ。
お前だって、ゴッソリと全身の毛が抜け落ちるなんて嫌だろう? 」
メルダニ
「 そ…それは確かにそうですね…… 」
マルチェントティスナ
「 エルフ族は長命種だからな、短命種の人族より物知りなんだ。
被害者が出てしまった後になってしまったが、知れて良かったな 」
レミィンダティナ
「 でも、ツルッパゲになっちゃった人達は自業自得だよね!
〈 大陸神ノクターム 〉の信頼を裏切るって事は、“ 悪い事をしてた ” って事でしょ?
神職者なのに職権を利用して悪い事をし続けたから、〈 大陸神ノクターム 〉から分り易いように罰を与えられたって事だよね?
目には見えないけど〈 大陸神ノクターム 〉はちゃんと神職者が何をしてるのか見てるんだよ!
〈 大陸神ノクターム 〉が存在してるって事が判る事件よだね! 」
マルチェントティスナ
「 そうだな。
〈 大陸神ノクターム 〉はちゃんと存在している。
〈 大陸神ノクターム 〉に遣えている神職者が悪い事をしたら駄目だよなぁ。
神職者の端くれでも、そうは思わないか? 」
メルダニ
「 それは勿論……その通りだと思います。
〈 大陸神ノクターム 〉に生涯遣える神職者が悪事を犯すなんてに……許されない事です。
〈 大陸神ノクターム 〉が犯した罪に対して罰を与えられたのだとしたら──、司教様達は一体どうすれば〈 大陸神ノクターム 〉から許していただけるのでしょうか? 」
レミィンダティナ
「 無理だと思うの。
だって神職者になった人達って、少なからずは『 〈 大陸神ノクターム 〉の役に立ちたい! 〈 大陸神ノクターム 〉に遣えたい! 』って熱い想いを抱いて神職者になる人生を自分で選んだと思うの。
〈 大陸神ノクターム 〉から頼まれた訳じゃなくて、『 神職者にならせてください。お願いします! 』って自分からなったんだよね?
自分から〈 大陸神ノクターム 〉に遣える事を決めたのに、〈 大陸神ノクターム 〉が嫌う事を長い間続けていた訳でしょ?
悪い事を止めるチャンスは何時でも有った筈だよ。
なのに止める処かずっと〈 大陸神ノクターム 〉が嫌う事を続けていたんだよ。
気の長い〈 大陸神ノクターム 〉も堪忍袋が切れちゃったんだよ。
罰を与えたって事は、それだけ〈 大陸神ノクターム 〉が神職者達がしていた事に “ 怒ってる ” って事でしょ?
謝っても許してもらえないと思うの。
もう、手遅れだと思うの。
抜けてしまった全身の毛は2度と生えて来ないと思うの。
それにね、謝る相手は〈 大陸神ノクターム 〉じゃなくて、心無い神職者達から酷い目に遭わされて、辛くて、苦しくて悔しい思いをしている被害者に対してだよ!
自分の残りの人生を懸けて、ちゃんと被害者達に償う事が大事だよ!
被害者達に “ 許してもらう ” 為にする謝罪は〈 大陸神ノクターム 〉は嫌いだと思うし、許さないと思うの。
ちゃんと心の底から自身の犯した犯罪を反省して、ちゃんと心の底から悔い改めて、“ 2度と誰にもしない ” って誓った謝罪をしないと〈 大陸神ノクターム 〉にも届かないし、許されないと思うの 」
マルチェントティスナ
「 レミィ── 」
レミィンダティナ
「 善因善果,悪因悪果だよ。
悪い心掛けで行った悪事は、悪い結果となって必ず自分に戻って来る──。
〈 大陸神ノクターム 〉に遣える神職者,聖職者なら、知ってないと駄目だよ。
全身の毛が抜けてしまったのは、悪い結果として神職者,聖職者に “ ただいま ” って帰って来たんだよ。
それを『 許してください。無かった事にしてください 』って泣き付くのは違うと思うの。
全く反省してないし、自分が “ 悪い事をしていた ” って自覚してないと思うの。
そんなの……都合が良過ぎるよ。
ちゃんと受け入れて、慎ましく誠実に生きていくべきじゃないのかな? 」
マルチェントティスナ
「 レミィ…………手厳しいな 」
レミィンダティナ
「 別に厳しくないと思うの。
神職者,聖職者として生きる事を自分で選んだなら〈 大陸神ノクターム 〉が嫌う事をして、〈 大陸神ノクターム 〉の信頼を裏切っちゃ駄目なんだよ!!
〈 大陸神ノクターム 〉から全身脱毛させられちゃった人達は、裁くのが難しい立場の人達だよね?
人間には裁けない人達だから、〈 大陸神ノクターム 〉が直々に、神職者,聖職者の資格を剥奪する人達を選んでくれたんだと思うの! 」
マルチェントティスナ
「 レミィ………… 」




