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魔法は嘘をつく ―賢者が残した遺産―  作者: 虚空小白
第一章:失格者の烙印
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幕間 最期のわがまま

 ソルへ


 これを読んでいる頃、私はもういない。


 聖女様と出逢ったあの日、私は彼女から内緒で教えてもらった。


 ソルは悪魔化現象に墜ちている。

 私は命を落とす。


 旅をやめれば、私は助かるけど、ソルが悪魔になってしまう。

 ソルには運命を変える力がある。

 でも、それは私がいなくなった後の話。


 私には思い当たる節があった。

 ヴァーゲに投げ飛ばされた時、ソルが動かなくなった。

 ソルは悔しがっていたけど、もし打ち所が悪ければ死んでいても不思議じゃなかった。


 だから、私は聖女様の言葉を信じることにした。


 それが、いつ訪れるのかわからない。

 不安だった。


 ソルに話せば旅を中断する。

 そうなれば、ソルが悪魔になってしまう。

 それだけは許せなかった。


 レイ・ドランの手記を届ける時、ソルは迷わなかった。

 私もあれでよかったと思っている。


 カルロスは、愛する女性のためならこの命すら惜しくないと言っていた。

 私は彼の話を聞いて、未来を想像した。


 死ぬのは怖いけど、ソルが悪魔になってしまうほうが、私は怖かった。

 だから、死ぬのなんて怖くないと思えるようになった。


 でも、私の存在を忘れられるのだけは怖かった。


 私は後悔していない。

 だから、私のせいで自分を責めないでほしい。


 私の最期のわがまま。


 夢を追いかけて。


 マーニ・アルヘイナ

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