ラモン商会
「なんとか逃げ切ったかなぁ…」
幸明が言う
「さっきの市場ほどじゃないけどここも賑わってるな…商店街みたいな感じか?」
先ほどの市場とは違いテントや荷車、敷物を敷いて露店のように商品を置くなど少し高級感は下がっているものの活気は負けていない
「店先でぐちぐちと、お客様でないのでしたら立ち去ってくださりませんこと?」
幸明に1人の女性が声をかける
「なん…だと…⁉︎」
その女性を見るなら幸明は口を開け、驚愕の表情を浮かべた
「な、なんですの…?」
「ま、まさか本当に金髪ドリルツインテールがこの世に存在するなんて!!」
幸明の目が輝いていた
「ば、バカにしてますの?」
「そんな、滅相もない!!
むしろ、貴女に会えて感動してます!
その素晴らしいお姿、何度夢に見たことか!
お会いできて光栄です!」
幸明が感動の涙を流しながら訴える
「え、えーと…その、盛り上がってるところ申し訳ないですが、お客様ではない、ということかしら?」
女性が若干引きながら言う
「あ、えっと、興奮しすぎて失礼しました
ここは何屋さん?」
幸明が当たりを見回しながら言う
「まぁ、万屋と言いますか、大抵のモノは取り揃えれますわ
日用品から冒険に必要なモノ、職人が求める特注品まで幅広い品揃えを目指してますの」
「へぇ、何か役に立ちそうなモノなら買いたいな…」
幸明が周りを見回す
「あら、お客様でしたの?
でしたら申し遅れましたわ
私はラモン商会、商会長のエリザベート・ラモンですわ
以後、お見知りおきを」
エリザベートはスカートの両端をつまんで軽く礼をする
「おお!
綺麗な礼の仕方、もうさっきから感動の嵐だよ…」
幸明が言う
「それで、何をお求めですの?」
「そう言われるとなぁ…この先どうするかも決めてないから何が必要なのか…」
「ぴきゅっ!」
ソードスライムが小さな剣で商品棚を指示する
「ここにあるのが欲しいのか?」
「あら、可愛いスライムさんですこと
テイムしているのかしら?」
「まぁ、そんな感じです」
「そこの棚は武器の手入れ用品ですわね
シャープネスオイルや砥石、研磨材に研磨剤など色々ありますわ」
「そっか、ソードの武器を手入れするヤツが必要か」
「ぴっきゅ!」
ガードが近くの棚に飛び乗る
「そのあたりは魔法の勉強をする本ですわ」
「ぴーきゅー…」
本を眺めてだんだん興味がなくなってくるガードスライムだった
「きゅ…」
スナイプが一枚のローブマントの上に乗る
「お目が高いですわね
それは認識阻害の効果があるローブマントですわ
そのローブを着て、フードを被ると誰かわからなくなりますわ
ただフードを被るところを見られてたり、あまりにも親しい方だと効果は薄く、簡易鑑定なら阻害できますが高価なマジックアイテムによる鑑定ではモノによって簡単に看破されてしまいます」
「ふーん…でも、これ良いなぁ」
「きゅ…」
一枚あっても損はない、と言いたげなスナイプだった
「ぴっきゅーっ!」
スラ太郎が一際大きな声で鳴いた
「どうした?」
「あら、そちらの棚はガラクタ品ばかりで…壊れたり、使えないものばかりなのです」
エリザベートが言う
「ぴきゅ、ぴきゅ!」
小さめのリュックを引っ張り出すスラ太郎
「これは?」
「元、収納リュックですね
今は失われた収納魔法という古代魔法がかけられていた…らしいのですが年代的なものもあり、破損が激しくその魔法は残っておりません
リュックとしてもボロボロなので…
かつてはこの見た目の2倍の量が収納できたとかできてないとか…」
「曖昧すぎるな…
とりあえず、ローブと剣の手入れの道具とこのリュックで合わせていくら?」
「えーとですね、12万8000ゴールドですわ」
「けっこうするなぁ、じゃあ、取っておいてもらえる?
明日、お金持ってくるわ」
「ええ、わかりましたわ
その魔法の教本はどういたしますか?」
ガードスライムが本の上でスースーと寝ていた
「明らかに飽きたんだろうなぁ…
まぁ、ついでにこれも買っていこうかな…」
「うふふ、ではオマケして全部で13万ゴールドちょうどで良いですわ」
「わかった、明日、必ず来るんでよろしくお願いします」
幸明たちはラモン商会を後にして街を散策しようとするとスラ太郎が鳴く
「ぴきゅっ、ぴきゅっ!」
「あ、幸明、見つけた!
大丈夫?
無事だった?」
リーナとアルトが駆け寄ってきた




