神託メモリー
数日前
神聖公国ロザリード
国境付近
ドゴォンッ!
地面を穿つ轟音とともにテスラを乗せた馬車が急停止する
「な、何事ですか⁉︎」
テスラが御者に問いかける
「さ、サイクロプスです!
馬車から避難してください!
止まった馬車にいると気づかれたら潰されてしまいます!」
兵士が外から叫ぶとテスラはすぐさま馬車を降りた
「これが…サイクロプス?」
一つ目の5メートル以上ある巨大で大木を削って作られた棍棒を振り下ろし、地面に大穴を作っていた
「だ、大丈夫なのですか⁉︎」
「サイクロプス自体は討伐経験のあるものが複数いますが、ヤツは困ったことに魔眼持ちなのです…」
護衛の兵士がテスラを守りながらサイクロプスから距離を取るように移動させる
「魔眼…その目で見られると魔法が霧散してしまうという…」
「はい…あれをご覧ください…」
兵士が示した先には数人ほど高火力の魔法の発動準備を終えた魔法使いがいた
「全員が放てばサイクロプスは倒せるでしょう…ですが、ヤツは動きも素早く魔眼も使いこなしているため放つ隙がないのです…」
「テスラ様、ここは危険ですもっと離れてください!」
女性兵士がテスラの元へ叫びながら近づいてくる
「バカ!
叫ぶなウルス!
…しまった!」
女性兵士の声によりサイクロプスは気づいてしまった
1番弱そうな獲物に…
「くっ…誰か援護を…」
その言葉に反応して魔法を放とうとするが…
「グオォォォ!」
咆哮し魔法を放とうとした部隊を睨む
「くっ…私のせいで…テスラ様、私がヤツの攻撃を受け止めますのでそのまま逃げてください
隊長は私が攻撃を受け止めたら一斉に魔法を発動して…
「バカいえ…お前程度に受け止められるものか…一瞬の気すら引けない…」
「みんな…逃げてください
私にあの棍棒が振り下ろされる瞬間に総員撤退をしてください
私は遅いので逃げるよりも囮が似合っています」
テスラが震えながら言う
「何をおっしゃっているのですか!
我らは命がけでテスラ様を守るためにおります
それを命惜しさに逃げるなど…」
「もう言い争ってる暇はありません
来ますよ」
テスラが斜め上を見上げた
サイクロプスがまるで笑うかのように口角をあげて棍棒を高く掲げた




