side 世界会議
幸明一行がロザリードとゲータニクの国境に向かって進んでいる頃
ウルザードとゲータニクの国境付近にある城塞に各国のリーダーが集まり話し合う通称・世界会議が行われようとしていた
会議室
「ウルザード国帝国閣下が参りました」
使用人の声と共に会議室の扉が開かれた
「むぅ?
ワシが一番乗りかと思うたが…聖女殿に遅れをとってしまったなぁ、はははは!」
身長は約2メートル、筋骨隆々で着ている服が今にも世紀末救世主の戦闘時のように弾け飛びそうなくらいパッツパツだった
立派な顎髭をさすりながら豪快に笑うと部屋中が振動するかのような錯覚さえ起こす
「ええ、実はここ数日神託が連続して起こっておりましたのでこの会議でも何かあるのかと心配しておりましたが…来る道中にまた神託がありまして、早めに会議に出席した方がいいとのことでして」
そう話すのはロザリード公国大司教 通称、大聖女テスラ・ロザリードである
純白の法衣に身を包み優雅な身のこなしをする彼女の胸はスライムよりも魅惑の弾力と大きさを兼ね備えている
「ふーむ…神託か
その顔つきを見るに悪いことではない、そういうことかのぉ?」
「全部がすごく良いわけではありませんが…不思議な神託でした
それにその神託のおかげで危機を救われましたので」
テスラは天使のような笑みを浮かべて言う
「アルナス国魔導王陛下が参りました」
「どうもご無沙汰してます、テスラ様ガウェイン様」
「ウインズ様もお元気そうで何よりです」
テスラが言う
「そんなに元気そうか?
青っ白い顔してていつも死にそうで見るたびに心配になるぞ?
良かったら今度、我々トップも参加した合同軍事演習でも…」
「ははは、お気持ちだけもらっておきますよ
顔が不健康そうなのはもとより国を出るまでは研究者たちと施設にこもりっきりだったので少し栄養不足と運動不足ならなってるだけです」
「まったく部屋にこもるなんて俺には到底無理だな!
しかし、魔王国や魔境の小国家群も動きが何やらきな臭い
俺んとこと軍事演習しても無駄にはならないんじゃないか?」
「ははは、お気持ちだけもらっておきますよ」
「同じセリフを同じトーンで返しやがった⁉︎」
バァンッ!
会議室の扉が力強く開け放たれた
「そりゃ、秘密主義のアルナスが脳筋バカで情報漏洩の塊みたいウルザードなんかと演習なんかやっても意味ないだろ
どうせやべぇ技術は見せねえでありきたりな事しかしねぇんだからよ!」
荒々しく会議室に入ったのは二足歩行にライオンの顔を持つ獣人だった
「レ、レオナード様
ここは他の国のトップもいるんですから礼節を持ってください」
すぐさま周囲に頭を下げながら獣王国ガオンのトップ、ガオン・レオナードを抑えるのは二足歩行に豹の顔をした獣人だった
「相変わらずぶっ飛んでんなぁ!」
ガウェインが笑う
「お久しぶりです、レオナード様
今日も元気いっぱいですね」
テスラが笑う
「側近のパル殿がいてくれて良かった
会議が少しは楽になる…」
ウインズがため息をつく
「あん?
どういう意味だ?
獣人差別か?
噛み殺すか?」
レオナードがウインズを睨む
「どこをどうしたら獣人差別になると?
獣人の中にだって優れたものは多い…側近であるパル殿も獣人でありながら優秀だ
が、しかし…野蛮、粗悪、知恵もなければ話し合いもろくに進まない獣人も世の中にはいるってことですよ…どっかの獣人国の王様みたいに」
「どっかのって、どこのだ?
そいつはこの会議に出るのか?
出るなら同じ獣人国の王として会いたいもんだ、なんなら先輩として指導も…」
「これでもどうぞ」
ウインズは再びため息をつきながら自分の席に座る
「鏡?
どーゆーことだ?」
「レオナード様…獣人国を名乗っているのは我らガオンのみであり…その、レオナード様が馬鹿にされていてですね…」
「俺をバカに⁉︎
この鏡はいったいどういうことだ⁉︎」
「レオナード様がその…えーと…ウインズ様がおっしゃる愚かな獣人の王に会いたいとおっしゃったので…」
パルが言いにくそうに説明する
「愚かな獣人の顔を見たいと言うから鏡があれば自分の顔を見れるだろう?」
「俺をバカにしやがってぇぇぇ!!!!」
ゴゥッ!
レオナードの体から波動とともに咆哮が放たれ、毛は大きく逆立っていた
「落ち着いてください、レオナード様!
この会議で実力行使は許されません!」
パルが必死に止める
「ウインズ様もその辺でおやめください
ここは争いの場ではありませんよ」
テスラが言う
「はっはっは!
みんな生きがいいのう!」
ガウェインだけが馬鹿笑いをする




