ニーナ、ギルドプレートを貰う
予告なく修正することがあります。
Sep-19-2020、一部変更。
ニーナ達が事務所に戻ると、引き攣った笑みを浮かべる受付の女性がいた。
「パーティー登録するわね。名前は何と?」
「名はエルノワールじゃ。」
キキは首を傾げて、ニーナを見詰めた。
「妾の母の名じゃ。エルリーザからじゃ。顔も知らんが、名前ぐらいは覚えていたいのじゃ。」
キキは優しく微笑みながら、ニーナの肩に手を回し、上目使いにゼンを見た。
「判った。雇い主は君だ。」
「ヴレノワールは解散して、エルノワールに加入するわ。」
「駄目じゃ。絶対に駄目じゃ。」
キキの言葉に後ろから否定の言葉が届き、振り返ると枯れ木のような老人が立っていた。ニーナは猫の様な眼を細めて見た。
「ここのギルドマスターをしておる、パーシヴァルじゃ。」
「伝説の騎士のご登場だ。」
「いや、儂は魔法師じゃ。土と水の属性が専門のな。」
老人の言葉にガクッと肩を落とすゼンを、ニーナが不思議そうに見ていた。キキは微妙な笑みを浮かべ、壁にもたれ掛った。
「貴重なミスリルのパーティーを、解散などさせるものか。パーティー名の変更じゃ。グィネヴィア、パーティー名の変更を頼む。」
「はいはい、判りましたよ。」
「これで君たちはミスリルの冒険者だ。ヴレノワールの功績と評価は引き継がれる。さっ、上に来てもらおうかの。」
受付嬢の名前を聞いて俯いて頭を振るゼンとキキと共に、ギルドマスターの部屋に向かった。戻って来た、ゼンとキキの胸には変わらず、左側と中央がミスリルで右上がゴールドプレートが揺れていた。ギルスとエレンはプレートの右端がシルバー、ミリアンとララはアイアンのプレートだった。ニーナとロロは、右端がブロンズのプレート目の前に掲げて、不満そうな顔をしていた。
「うにゅにゅにゅ。」
ニーナに釣られたか、ロロも蛸口になった。
「あの子たちが成人すると、ミスリルは確定だな。五年後ならオリハルコンでも、不思議ではないな。」
誰かの呟きに、周囲の冒険者達が頷いた。それを見た二人は、少し機嫌を直したのか微笑んだ。
「市場に寄って、宿に戻ろう。」
ゼンの言葉でギルドを後にする。途中、市場で野菜を中心に買い、一軒の仕立屋に入る。
「ようこそ、何をお探しでしょう。」
「彼らにパンツを頼む。生地はこれだ。」
ゼンが数枚の皮を取り出すと、店主の顔に驚きが広がった。
「ファイヤーボアにアングリーブルですな。さすがはミスリルの冒険者ですな。同じ魔物の皮でもこのように少しずつ、色が違います。好みの色を選んで下さい。」
ファイヤーボアは茶色系、アングリーブルは灰色系の色をしていた。ニーナはライトブラウン、ギルスとエレンはダークグレーを、ララはライトグレー、ロロはダークブラウンを選んだ。
「ミリアン、一着あると便利よ。」
キキのアドバイスで、ミリアンはチャコールグレーの皮を選んだ。
「全員の分を作っても、余りますな。」
ニコニコとする店主が、ゼンを見る。
「全部、売る。」
「なら、御代は結構です。一週間後。いや、三日後に取りに来てください。」
ゼンに睨まれて、仕事を急ぐことにしたらしい。
「あ奴、きっと儲けたのじゃ。」
キ♀:パーティー名の変更が有ったわね。
空♂:どうしてもエルノワールにしたかった。
キ♀:何か理由があったの?
空♂:構想中のストーリーに登場させていた。
キ♀:昔から構想だけは作っているのね。
空♂:相当、昔のファイルも見つかった。作成日が20世紀になっていたよ。
キ♀:いつか出てくるのね。
空♂:いつかね。




