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転生貴族と黄金の宿命  作者: KiedeJWL


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⸻第八章 大会当日、剣戟と絆

闘技場は広めの方がいいですよね。コロシアム的なものを想像してくだされば、合点がいくと思います

 剣術大会当日。王立クロノス学院の闘技場には、王侯貴族から一般市民まで、多くの観客が詰めかけていた。


「レオン様、頑張ってください!」


 観客席から声援を送るミア。彼女自身は魔法の実技試験で予選敗退していたが、それでも懸命に応援に駆けつけていた。


「わたくしも見ておりますわ。恥ずかしい戦いはなさらないでくださいまし」


 アリシアもまた、既に予選を勝ち上がり、決勝トーナメントへの進出を決めていた。


「レオン様!」


「リル?」


 観客席の一角に、あの獣人の少女リルの姿もあった。レイヴンフォード家に保護され、今では屋敷の使用人として働きながら、学院に見学に来ていたのだ。


「応援に来ました! あの後、本当にありがとうございました」


「気にすんな。今日は俺の勇姿でも見てけ」


 闘技場中央、レオンの対戦相手として姿を現したのは、意外にもヴィクトリアだった。


「あら、初戦から当たってしまいましたわね」


「くじ運がいいのか悪いのか」


「わたくしとしては、これ以上ないくらい楽しみですわ」


 審判の合図と共に、試合が始まった。ヴィクトリアの動きは人間離れした速さで、瞬く間にレオンの懐に飛び込んでくる。


「速い……!」


 辛うじて剣で受け止めるも、その膂力にレオンの体が押し込まれる。


(レオン、落ち着いて。相手の動きをよく見るんだ)


 剣の声に導かれ、レオンは呼吸を整えた。ヴィクトリアの攻撃パターンを見極め、次の一撃を半歩の見切りでかわす。


「ほう、なかなかやりますこと」


「まだまだこれからだ」


 レオンは複合魔法を纏わせた剣技を繰り出した。刀身に炎と風の力が纏わり、鋭さと威力を増した一撃がヴィクトリアの防御を崩す。


「――これは驚きましたわ」


 ヴィクトリアは体勢を崩しながらも、優雅に着地して距離を取った。


「随分と腕を上げましたのね」


「これでも毎日鍛錬してるからな」


 激しい攻防が続いた末、最終的に僅差でレオンが勝利を収めた。観客席から大歓声が沸き起こる。


「お見事ですわ、レオン様」


 ヴィクトリアは涼しい顔で健闘を称えると、レオンの耳元でそっと囁いた。


「――この後もお気をつけて。あなたを狙っているのは、純血同盟だけではございませんもの」


「どういう意味だ?」


 だが、ヴィクトリアはそれ以上答えず、微笑みを残して退場していった。


 大会はその後も白熱し、決勝ではレオンとアリシアが対戦する運びとなった。


「まさかこんな形で戦うことになるなんて、思いませんでしたわね」


「お互いにな。手加減はしないぞ」


「望むところですわ」


 水属性を極めたアリシアの魔法剣技と、全属性を操るレオンの猛攻がぶつかり合う、白熱の一戦となった。最終的には僅差でレオンが優勝を果たしたが、アリシアも大健闘を見せ、観客からは惜しみない拍手が送られた。


「悔しいですけれど……見事でしたわ、レオン様」


「お前も凄かった。危なかったよ、正直」


「ふふ、その言葉だけで満足いたしますわ」


 表彰式の後、レオンは冒険者ギルドから正式に「S級推薦」の証を授与された。これにより、まだ学院生でありながら、レオンは冒険者としての本格的な活動を始める資格を得ることになったのだった。

よろしくお願いします

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