⸻第九章 冒険者ギルドへの第一歩
パーティを結成、黄金の絆、これが本編の題名と重なっていることに気がつくと思います。
「これが、冒険者ギルドか……」
王都の中心部に位置する冒険者ギルドの建物は、レオンが前世で読んでいたファンタジー小説そのままの、活気に満ちた場所だった。
「おい見ろよ、あの首飾りとレインボウフェイト……」
「まさか、あの剣術大会の優勝者か!?」
「S級推薦だってよ、噂は本当だったのか」
ギルド内がざわめく中、受付のカウンターへと進むレオンを、一人の女性ギルド職員が出迎えた。
「レオン・レイヴンフォード様ですね。お待ちしておりました」
「よろしくお願いします」
「S級推薦をお持ちの方は、通常の昇格試験を免除され、いきなりB級からのスタートとなります。もっとも、それでも異例中の異例ですが」
手続きを終えたレオンに、ギルド職員は一枚の依頼書を差し出した。
「早速ですが、こちらの依頼、いかがでしょうか。王都近郊のダンジョン、『翡翠の迷宮』で発生している魔獣の異常発生を調査する依頼です」
「魔獣の異常発生?」
「ええ。ここ最近、通常では出現しないはずの強力な魔獣が頻発しているとの報告が相次いでおります。何らかの異変が起きている可能性がございます」
レオンは依頼書に目を通しながら、静かに頷いた。
(純血同盟の一件といい、この魔獣の異変といい……。何か裏で繋がってる気がするな)
「分かりました。受けます」
「では、パーティーを組んで挑まれることをお勧めいたします。単独でのダンジョン攻略は、いくらお強くても危険が伴いますので」
「パーティーか……」
その時、ギルドの入り口から聞き覚えのある声が響いた。
「レオン様! わたくしも同行いたしますわ!」
「アリシア? なんでここに」
「決まっていますわ。あなた一人でダンジョンに向かわせるなんて、危なっかしくて見ていられませんもの」
「私も行きます!」
ミアも息を切らせながら駆け込んできた。
「お前、戦闘は苦手だろ」
「そ、それでも回復魔法くらいなら使えるようになりました! それに、荷物持ちとか、サポートならできます!」
「わたしも……お役に立ちたいです」
リルも遠慮がちに手を挙げた。
「みんな……」
思いがけない仲間たちの申し出に、レオンは胸が熱くなるのを感じた。
「よし、じゃあみんなで行くか。パーティー名は……」
「『黄金の絆』、というのはいかがでしょう?」
アリシアの提案に、皆が頷いた。
「いいな、それ」
こうして結成された新米パーティー「黄金の絆」は、翌日、王都近郊の翡翠の迷宮へと足を踏み入れることになる。
これからも楽しんでいただけると幸いです




