⸻第三十二章 王城の内通者
宰相と主人公の運命とはこの先の展開が気になるところ。
「宰相府、ですって……?」
アリシアからの報告を受けたヴィクトリアが、眉をひそめた。
「証拠が焼け残った断片だけでは、確定的なことは言えないが……可能性としては十分にある」
「でも、そんなことがあったら、国王陛下だって黙っていないはずですよね」
ミアの疑問に、レオンは頷いた。
「だからこそ、慎重に動く必要がある。もし本当に内通者がいるなら、下手に動けば、証拠を全て隠滅されるか、俺たちが逆に消される可能性もある」
「では、どうすれば……」
「まず、信頼できる筋から情報を集めよう。ヴィクトリア、ノクターナ家なら王城内部の事情にも通じてるんじゃないか?」
「ええ、多少のつながりはございますわ。調べてみましょう」
数日後、ヴィクトリアが独自の調査で得た情報を持ち帰った。
「分かりましたわ。宰相府の中に、最近急速に力をつけてきた人物がおります。副宰相、モーガン・ファウストという者ですわ」
「モーガン・ファウスト……」
「元々は地方の下級貴族の出身ですが、ここ数年で異例の出世を遂げております。表向きは有能な行政官として評価されておりますが……」
「裏では、純血同盟と繋がってる可能性がある、ってことか」
「その通りですわ。しかも、彼は以前から、人ならざる者に対する排他的な発言を繰り返していたという証言も得られました」
「これは、慎重に調べる必要があるな」
レオンは、決意を新たにした。
「父上を襲った犯人を見つけるためにも、この件、徹底的に調べよう」
よろしくお願いします




