⸻第二十二章 族長の懸念
北欧神話には、光と関係する「リョースアールヴ(光のエルフ)」と、地下や闇と関係する「ドックアールヴ(闇のエルフ)」が登場します。ただし、現代ファンタジーの「善のエルフ/悪のエルフ」という単純な分類とは少し違います。という文面の通り、僕にも悪のこころと善のこころがあると毎日思ってる僕です
銀葉の大森林の奥深く、巨大な樹木を利用して築かれたエルフの集落は、自然と調和した美しい佇まいを見せていた。
「見事な集落ですね」
「我らは、自然と共に生きる民だ。この森そのものが、我らの家であり、守るべき宝でもある」
族長エルドウィンの案内で、レオンたちは集落の中心にある巨木の内部、族長の住居へと通された。
「して、レオンよ。融和のための使命、その真意を聞かせてもらおうか」
「はい」
レオンは、これまでの経緯――純血同盟との戦い、自身の出生の秘密、そして「黄金の使徒」としての覚醒について、包み隠さず語った。
「なるほどな……。純血同盟の暗躍、我らの森にも、その影響が及んでいないわけではない」
「え……?」
「実は最近、森の一部が原因不明の枯死病に侵されている。我らの魔法でも治療できず、対処に苦慮しているのだ」
「枯死病、ですか」
「奇妙なことに、その症状は自然発生のものとは思えぬ、人工的な呪いの痕跡が見受けられる」
レオンは、翡翠の迷宮で遭遇したデュラハンロードや、純血同盟が使用していた呪いの力を思い出した。
「もしかしたら、純血同盟の残党が関わっているのかもしれません」
「うむ、我らもそれを疑っている。だが、確たる証拠がなく、対処のしようがなかったのだ」
「よろしければ、俺たちに調査させてもらえませんか。この件が純血同盟の仕業なら、必ず解決策があるはずです」
エルドウィンは暫し思案した後、深く頷いた。
「よかろう。そなたの誠意、しかと受け取った。リーファ、彼らを枯死病の発生地へ案内せよ」
「族長様がそう仰るなら……」
先程まで警戒心を露わにしていたリーファも、渋々ながら協力することを了承した。
よろしくお願いします




