⸻第十二章 黄金の絆、力を合わせて
これからも頑張って作ります
「わたくしが動きを鈍らせますわ! 『氷結の牢獄』!」
アリシアの高位魔法が、デュラハンロードの足元を凍りつかせる。だが、漆黒の騎士はそれを力任せに砕き、猛然と突撃してきた。
「レオン様、危ない!」
「くっ……!」
辛うじて大剣の一撃を受け止めたレオンだったが、その衝撃で体勢を大きく崩す。
(レオン、油断するな。こいつはただのアンデッドじゃない。何者かの魔力で強化されている!)
「分かってる……!」
レインボウフェイトの警告通り、デュラハンロードの動きには、通常のアンデッドにはあり得ない精密さと知性が感じられた。
「わたしが隙を作ります!」
リルが素早い身のこなしで背後に回り込み、鋭い爪を鎧の隙間に突き立てる。
「グオオオオ!」
初めて苦悶の声を上げるデュラハンロード。その隙にミアが渾身の支援魔法を唱えた。
「みんなに力を、『祝福の光』!」
パーティー全員の身体能力と魔力が一時的に底上げされる。ミアの魔法の才能は決して高くはなかったが、彼女の献身的な努力によって、この瞬間、確かにパーティーの力になっていた。
「今だ……!」
レオンは全属性の力を極限まで引き出し、剣に纏わせた。刀身が七色に輝き、周囲の空間さえ歪めるほどの魔力が渦を巻く。
「――複合魔法、極致『虹光断罪』」
放たれた一撃は、デュラハンロードの鎧を切り裂き、その内部に渦巻いていた邪悪な魔力の核を打ち砕いた。断末魔の咆哮を上げながら、漆黒の騎士は黒い靄となって霧散していく。
「や……やった……!」
ミアがその場にへたり込む。リルも荒い息をつきながら、安堵の表情を浮かべた。
「見事でしたわ、皆さん」
アリシアも珍しく心からの笑みを浮かべている。
「みんなのおかげだ。一人だったら、絶対勝てなかった」
レオンは仲間たちの顔を見回しながら、心からそう思った。前世では味わえなかった、命を預け合う仲間との絆。それは、金や名声よりも遥かに価値のあるものだった。
魔法陣が消滅した後、その場所には小さな石板が残されていた。
「これは……?」
拾い上げたレオンの目に、刻まれた紋様が飛び込んできた。それは、純血同盟の紋章と酷似していた。
「やっぱり、あいつらの仕業か……」
「これで確定的ですわね。純血同盟は、こうした災害級の魔物を利用して、何かを企んでいる可能性がございます」
「一体何が目的なんでしょうか……」
「分からない。だが、俺たちに向けられたものなのは間違いなさそうだ」
石板を回収したパーティーは、ひとまず迷宮を後にし、この発見を冒険者ギルドとレイヴンフォード家、そしてノクターナ家に報告することにした。
よろしくお願いします




