第3章 1話
土曜日の午後になり、弥生はまだ昴が来てくれないから今日も来ないのかなと不安になった瞬間病室のドアがノックされた。病室のドアの方へ振り向くと立っていたのは、昴だった。
昴は弥生の顔を見て、「弥生、意外にも元気そうで良かった」と言い、弥生は少しむっとして、本音で「昴、連絡もよこさないで。私がどんだけ心配したか分かっているの?」と昴に向かって行った。
昴は反省した表情でこんなに心配してくれていたと思うと、自分が情けなくなり「本当にごめん。弥生に合わす顔も無いと思ったから」と正直に答えた。
弥生はその答えを聞いて、溜め息を吐いて「昴は、昔から何も変わらないな。昴は全然悪くない事でも自分の責任だと思うとこ」と笑顔で言うと、昴が「でも、あの時」と言いかけた瞬間、弥生が遮るように「ほらまた。この事故は私の不注意だから昴は全然悪くないよ」と言い、昴の手を握って「昴はそういう悪い癖を直さないとね」
昴はまた弥生に支えられたなと思ったら「弥生、いつも悪いな」と言うと「そんな事無いよ。お互い様だよ。私だって昴に元気をもらっているから」と二人のいつもの会話になってきた。二人は久しぶりに何気ない会話に夢中になり、病室のノックに気付かなかった。昴の後ろからある人が「お邪魔だったかな」と二人に声をかけた。その声が聞こえる方に二人は向いたら、そこに立っていたのはめぐみだった。
昴は驚きつつも弥生が「めぐみちゃん、いつの間に病室に入ってきたの?」と聞いたら、めぐみが「たった今だよ。ノックもしたのに気付かないぐらい話してたんだね。なんか羨ましいよ」と言いつつも二人に嫉妬していた。
昴はめぐみが来たから、いい機会だからめぐみの事を正直に話そうと思ったが、怖くなってその場から逃げたい気持ちになり、「弥生、僕そろそろ帰るわ」と弥生に言ったら、弥生は昴の心を見透かすように、急に弥生が真剣な目つきになり「昴、また自分から逃げるの?」と問い質せた。その言葉に昴は思わずドキッとして、一瞬心臓が止まったか生きた心地がしなかった。弥生の方を振り返ると「昴、ちゃんと話して」と目は泣いていた。
ここに私が居たらまずいかなとめぐみが思ったから「弥生、売店でなんか買ってくるもの無い?」ときいたら「めぐみちゃんもここに居て」とめぐみの方を睨んだ。「分かったよ弥生」と言い仕方なくその場に立っていた。




