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身勝手な願いの結末は、幸せか不幸か  作者: 氷雫月
第二章 "望み"と"闇ギルド"

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14/26

半端者に最高の嘲笑を 前編

大変遅くなりました


ロストがエリザベス王女殿下に膝をついてから、早半年。これはロストが闇ギルドに入ってから過ぎていった日数でもある。

僅か半年。されど半年。長いようで短い期間の間にロストは着々と"ショーダウン"の準備を進めていた。

そして夏の寝苦しさが支配する今日この日。

決行の日。



======%======%======



建築設計図には記されていない中央教会の地下室。壁に配置された蝋燭の灯りのみが部屋を照らす。

長机の上座に一席、両脇に三席ずつ装飾の施された椅子が置かれていた。

上座には最高司祭であるロバートが座り、残りの席も埋まっている。全員が中央教会の幹部だった。

此処で行われるのは勿論教会の話し合い、ではない。

わざわざ秘密の地下室で行なっている秘密の会議。碌な話し合いではないだろう。

「これより定例会議を始めます」

闇ギルド『フェデス』。

言わずと知れた過激派教徒集団の定例会議が国の中央教会地下で行われている。この事実を知った国民はどんな反応をするだろうか。

驚愕か、失望か、絶望か、はたまた軽蔑か。

ロバートが上座に座っているのは、彼がフェデスのギルドマスターだからだ。

代々カトリック伯爵家の当主がフェデスのギルドマスターを兼任してきた。

カトリック伯爵家は信仰深い一族として知られている一方、あまり知られていないが、過激派信者だ。

貴族の地位と宗教の力。これがフェデスの権力の正体だ。

そして権力を物理的に守るのは過激な信者であり、近衛騎士に匹敵する力を持った者達。

しかし言って仕舞えば、どちらかを崩せばフェデスは簡単に壊れる。

紙一重の構造をしているという訳だ。



======%======%======



会議の半ば、突然のことだった。

『緊急事態発生。近衛騎士団第三騎士団が教会を取り囲んでいます』

ロバートの懐に収まっていた通信魔導具からくぐもった女の声が聞こえてきた。緊急事態と言いながら、その声に焦りはない。無感情そのものだ。

「どういうことだッ!?」

トランシーバーのような形をした通信魔導具に怒鳴りつけたロバートは------が、

『詳細は不------』

重い打撃音に言葉を失った。

バキッ、という音は魔導具を壊した音だろう。と、同時にロバートが手にしていた通信魔導具が発光しだし、爆発。

混乱に包まれた会議室。

ドッオオオオッッ、という衝撃が地下室を揺らした。

そして------地下室の天井が落ちた(・・・)



======%======%======



倒れたメイド服姿の女を見下ろしながら、黒いローブ姿の人物は思う。

(エリザベス様もお人が悪い)

言わずもがな、ロストである。

首が有り得ない方向に曲がった女の胸部中央。禍々しくも美しい紅い光沢を放つ鉱物が埋め込まれていた。

「こちらルイーナ。メイドの胸部中央に"契約の魔石"を発見しました。回収しますか?」

首元チョッカーに手を添え、ロスト改めルイーナは誰かに語りかける。

『こちらエリザベス。感度良好。"契約の魔石"はそのままにしておきなさい。良い証拠になるわ。ルイーナは敵通信網の無力化を終え次第、次に移りなさい』

「了解致しました。既に敵通信網無力化は終了しています。これより次の行動に移ります。オーバー」

主人との通信を終え、次"地下隠し通路の破壊"を行う。

「《我が呼び掛けに応え------目覚めよ、ルイーナ》」

刹那、教会内及び敷地内に設置した設置型魔方陣崩壊魔法(ルイーナ)が断末魔をあげながら目覚めた。




補足

ロストという名前は元々偽名です。

それをエリザベスがルイーナと改名しました。

詳しい説明は本編の中で追い追い書きます。

これからもよろしくお願いいたします。


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