第九章《奏多の秘密》
静止玩具
相手を麻痺させてしばらく動けなくなる魔法の道具を作り出して使う魔法。
僕、柊奏多は幼い頃は魔法が使えなかった。
しかし、母親や父親などは魔法が使えた。
そして、浄化機関に見つかってしまい、捕まってしまった。
僕も一緒に捕えられてしまった。
その時、僕は実験に使われた。
魔法が使えない人間に特殊な機械などを埋め込んで魔法が使えるようになるのか、という実験が行われた。
そして、僕は魔法が使えるようになった。
その名は、玩具創造
おもちゃのような魔法の道具が作れる魔法。
その後、僕は処分されるのを待つ日々だった。
ある時、その研究所に理想機関の人たちが侵入し、魔法使いを解放した。
その中に僕がいた。
「怖いよー。」
「大丈夫。早く逃げて。」
その時、研究所が爆発した。
「あ、熱い。」
僕の右腕には今も消えない跡が残っていた。
「大丈夫?」
「は、はい……ちょっと右腕が痛いです。」
「あら、大変、ちょっとついてきて。」
この時、僕を理想機関に連れてきた人こそ、氷室美月さんだった。
まだ、この頃は美月さんは魔法使い保護の最前線で働いていた。
そして、僕は浄化機関に復讐を誓った。
今、僕は美月さんの助っ人として働いている。
「ゔ、ゔー。」
あっ、そろそろ麻痺している体も動けるようになるよ。
「時雨さん。」
「な、なん……なんで……。」
「それはあの三人の中で一番君が優しそうだったからだよ。」
「あと、このことは他の二人には内緒にして。」
「わ、わかった。」
「僕はね、浄化機関も嫌いだけど、理想機関も嫌いなんだ。」
「えっ?」
「だってさー、魔法使いだけの世界っておかしくない?」
「まぁ、そうだね。」
「でも、理想機関には助けてもらった恩がある。」
「うん……。」
「どうしたらいいと思う?」
「えっ?」
「それは……。」
「……。」
長い沈黙が続いた。
「まぁ、そうだよね。わからないよね。」
「じゃあ、結論はまた今度。」
「おやすみ。」
奏多はそう言って、自分の部屋に戻って行った。




