第五章《仲間と共に》
私たちは無事に朝を迎えることができた。
「これからどうする?」
「うーん……。」
「まずは資金確保だな。」
「確かに、でも中学生だよ。バイトとかできなくない?」
「そこは任せて、光幻鏡。」
光を屈折させ、姿や景色を変えて見せる光魔法だ。
次の瞬間、私たちの姿は高校生くらいに見えるようになっていた。
「おぉ、すごい!高校生くらいに見えるよ!」
「でも、三時間しか持たないんだ……。」
「そっか……。」
「色を変えるくらいなら八時間くらいならいけるかな?」
「髪や目の色だけなら、怪しまれにくいかもね。?」
「じゃあ、高校生くらいに見えれば、日雇いの仕事くらいは見つかるかもしれない。資金の方は大丈夫だな。」
「あとは、合わせ技だな。」
「合わせ技?」
「そうだ、合わせ技は例えば心菜の光魔法で相手の視界を奪い、俺の氷魔法で壁を作り相手の攻撃を封じている間に、時雨の水魔法で攻撃する。こんな感じだ。」
「へー、大丈夫だね、合わせ技。」
「合わせ技は、息が合わなければ意味がないからな。じゃあ、一回やってみるか。」
心菜が光で視界を奪う。
琉夏が氷壁を展開。
私が水の弾を放つ。
「おぉ……。」
「すごい……。一人で戦うのとは全然違う。」
初めてだった。
誰かと合わせて戦うのは。
「思ったより連携できるね!」
「他にもたくさん問題はあるが今はこのくらいにしておこう。」
その頃、浄化機関では、
「おい!伊藤取り逃しただと?」
「はい……すみません。」
「少々邪魔が入りまして……。」
「もしかして監視対象 No.五十三《光華》とNo.六十八《氷嵐》か?」
「はい、そうです。その二名が邪魔をしてきて……さらに、白水まで……。」
「なんということだ。光華と氷嵐だけでも厄介だ。それに白水まで加われば、手が付けられん。至急その三体とも確保してこい。」
「はい!では、失礼します。」
「ちっ、せっかく、白水を捕まえるチャンスだったのに……。」
この男、天城刹那は、元魔法使い。
彼は中学三年生のとき、自分が魔法使いだと知られ、ヴェールに連行された。
そこで待っていたのは、記憶を書き換えられ、体を改造され、二度と魔法を使えなくなる実験だった。
その日から彼は「魔法使い」ではなくなった。
残ったのは、ヴェールに従う一人の執行者だけだった。
そして現在は浄化機関の捕縛部――魔法使いを生け捕りにする機関の取り締まり役だ。
このように常識的に考えられないことをする組織が浄化機関だ。
そして今――
浄化機関は、コードネーム《白水》。
夜桜時雨の行方を追い、静かに包囲網を狭め始めていた。




