第二十九章《その頃》
時雨たちが中枢装置を壊した翌日。
浄化機関では各部のトップたちの会議が行われた。
「くっ!」
「白水たちめ!」
「みなさん、静粛に。」
「トップのお出ましです。」
浄化機関のトップ五十嵐波来。
「捕縛部のトップ天城刹那が裏切った。」
「なんだと!」
「そして、その部下の伊藤もだ!」
「なんで?」
「それは……企業秘密だ。」
「あのー?」
「どうしたんだい?尋問部 のトップ星影美空くん。」
「現在、捕縛部のトップは誰なんですか?」
「そうそう、今から紹介しよう。こちらにおいで。」
「はい。」
「この人が今日から捕縛部のトップだ。」
「リゲルです。よろしく。」
そこには、中世的な見た目の中学生くらいの子がいた。
「子供ですか?」
「いや、見た目は子供だが、数万年は生きている。」
「人間ですか?」
「わからない。そして、もう一人。」
「ベテルギウスです。よろしく。」
「今度も子供?」
「オリオン座という星座を知っているかな?」
「はい、一等星が二つある星座です。」
「そう、そのオリオン座から生まれたんだ。」
「生まれた?」
「そうだ。詳しくは二人から聞いてくれ。」
「はい。」
新しい捕縛部のトップ。
リゲルとベテルギウス。
謎が増えましたね。
その頃、時雨たちは。
「はー、装置を壊したけど……。」
「うん。浄化機関は倒せなかった。」
「はー、次の作戦考えないと。」
「おぬしら、ため息ばっかじゃなー。」
「あ、片割れさん。」
「おぬしらは何故浄化機関を倒したいんじゃ?」
「えーと、家族を助けたい。」
「……私たちのような人が増えないため。」
「明確な目的があるならあとは、それに真っ直ぐ突き進むだけよ。」
「うん。そうだね。」
「ねぇ、始まりの魔法使いさん、片割れさん。」
「なんじゃ?」
「なんですか?」
「長くて呼びにくいので名前を変えたいんですが。」
「そうじゃな。」
「確かに長いですもんね。」
「じゃあ、こういうのは?狐白、狐黒は?」
「よかろう。」
「私もそれで。」
「決まりだね。」
「それで、二人はどういう関係?」
「どういうとは?」
「ほら、姉妹とか双子とか。」
「……うーん。」
「なんじゃろうな?」
「わからないの?」
「同一人物ですかね?」
「そうじゃな、元は一人の人間であったからの。」
「……一人の人間?」
「説明って難しくないですか?」
「そうじゃの。」
「それはまた今度お話しします。」
「う、うん。」
「夜桜時雨。おぬしは浄化機関についてどこくらい知っているのじゃ?」
「えっ?」
「では、例えを出そう……トップについては知っているか?」
「えーと、五十嵐波来。心菜の実の父。」
「いいや、違う。」
「えっ?」
「それは表向きのトップじゃ。」
「……表向き。」
「そう、裏にいるやつは数万年変わってはおらぬ。」
「そんなに前から……。」
「まぁ、この話は今度にするか。」
「あっ。」
「そう焦らんでもよい。魔法使いはそう簡単には滅びはせんからな。」
「はい……。」
「わしは疲れて眠い、狐白。ついてこい。」
「はーい。」
謎が謎を呼ぶ。
浄化機関は知らないことだらけだ。
それでも、私たちは進む。
この世界を変えるために。




