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『魔法が嫌われる世界で』 ―それでも私たちは、魔法を信じる―  作者: 淺桜雫音
第二部 魔法使い撲滅計画
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第二十六章《作戦会議》

「あっ、お久しぶりです。」

私は時雨さんたちのところを訪ねた。

「始まりの魔法使いさん。」

「この前はごめんなさい。」

「気にしてないよ。」

「本当にすみませんでした。」

「いいって、それより上がって。」

「はい……。」

そして、みんなが集まった。

「今度はどうする?」

「魔法使い撲滅計画決行まで二週間。」

「二週間か……。」

「じゃあ、とりあえずみんなの能力をまとめよ。」

「うん。」

「私は光魔法、炎魔法。」

「時雨が水魔法、植物治癒魔法。」

「琉夏が氷魔法、風魔法。」

「悠生さんが風魔法、回復魔法。」

「うん。」

「それで、奏多と伊藤さんは……。」

「俺はまだわからない。」

「僕は……使えない。」

「えっ?」

心眼通話《テレパシー・リンク》

「僕が魔法使いなことは秘密にしてて。」

「あぁ、わかった。」

「てか、俺は伊藤じゃなくて青木龍二!」

「お前は何でもいいだろ。」

「ひどっ!」

「そして……始まりの魔法使いさん。」

「私?」

「あなたはどんな魔法が使えるんですか?」

「わからないんです。」

「えっ?」

「自分のことはあまりわかりません。」

「……。」

「わかっていることは死ぬとタイムスリップすること、仮面が取れると暴走すること。」

「死ぬとタイムスリップ……。」

「はい。」

「それって、いつの時代に行くの?」

「わかりません。」

「じゃあ、次に死んだらどこに行くかも?」

「わかりませんねー。」

「わからないことだらけだ……。」

「すみません。」

「いや、謝らなくていいよ。」

「それより、仮面が取れると暴走するっていうのは?」

「はい。私の魔力が制御できなくなります。」

「じゃあ、戦っている途中に仮面が取れたら危ないんじゃ……。」

「その通りです。」

「だったら、絶対に仮面を取られないようにしないと。」

「はい。」

「……でも、能力がわからないんじゃ、作戦に組み込みづらいな。」

「そうですね。」

「じゃあ、まずはできることを確認してみよう。」

「どうやって?」

「魔法を使ってみるとか?」

「やってみます。」

始まりの魔法使いさんは、少し離れた場所に立った。

「……。」

「……。」

「……何も起きないね。」

「そうですねー。」

「えぇ……。」

「すみません。」

「だから謝らなくていいって!」

「でも、何かできるはずなんです。」

「何か?」

「昔から……魔法を使う方法だけは、なぜか知っていました。」

「じゃあ、やってみよう。」

「はい。」

始まりの魔法使いさんは、ゆっくりと手を前に出した。

「――神楽舞。」

その瞬間。

ふわっ。

周囲に淡い光が広がった。

「えっ……?」

「何これ?」

「魔法……なのか?」

「わかりません。」

「本人もわからないのかよ!」

「でも……。」

始まりの魔法使いさんが光に触れる。

すると、光が一瞬だけ形を変えた。

「……今、何か見えなかった?」

「うん。」

「私にも見えました。」

「何だったんだ?」

「……過去、だと思います。」

「過去?」

「はい。」

「もしかして……記憶を見る魔法?」

「それも、わかりません。」

「またわからないのか……。」

「すみません。」

「だから謝らなくていいって!」

みんなが少し笑った。

「まあ、能力についてはこれから調べていこう。」

「うん。」

「それより、問題は二週間後だ。」

空気が変わった。

「魔法使い撲滅計画。」

「中枢装置を破壊しないといけない。」

「でも、第七研究区画には浄化機関(ヴェール)の人たちがいる。」

「正面から行ったら、まず無理だね。」

「だったら、こっそり侵入するしかない。」

「でも、どうやって?」

「私の光幻鏡《プリズム・ミラー》で姿を隠すことはできるよ。」

「ただし、長時間は無理。」

「なら、短時間で中枢装置まで行く必要がある。」

「そして、装置を破壊する。」

「……。」

「問題は、その後だね。」

「浄化機関(ヴェール)に気づかれたら、逃げられない。」

「だったら――」

悠生さんが口を開いた。

「俺が浄化機関(ヴェール)の内部から道を作る。」

「お兄ちゃん?」

「俺は元々、捕縛部《バインド》の人間だったからな。施設の構造はある程度わかる。」

「じゃあ、俺も手伝う。」

伊藤さん……いや、青木さんが手を挙げた。

「お前は何ができるんだ?」

「それは……。」

「まだ魔法がわからないんだったな。」

「うん……。」

「じゃあ、俺たちが役割を分担しよう。」

私はみんなを見た。

「二週間後――」

「中枢装置を破壊する。」

「そして……」

「魔法使い撲滅計画を止める。」

その瞬間、始まりの魔法使いさんが静かに口を開いた。

「……それだけでは、終わらないと思います。」

「え?」

「浄化機関(ヴェール)が、なぜここまで魔法使いを嫌うのか。」

「……。」

「それを知らなければ、また同じことが起こるかもしれません。」

「……そうだね。」

「だから私は――」

始まりの魔法使いさんは、狐の仮面に触れた。

「中枢装置を壊すだけではなく、浄化機関(ヴェール)の真実も知りたいです。」

「うん。一緒に確かめよう。」

「はい。」

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