第二十四章《精神牢獄》
ドォォン!!
「おっ!ここか?」
「いたー!」
そこにはこの前の二人組ともう一人。
スーツ姿の女性が立っていた。
「なんか増えてる?」
「あぁ、スーツ姿の奴が増えた。」
「あ、あれは。」
時雨がその女性を見つめる。
「お兄ちゃん?」
「あれは、尋問部 のトップ星影美空!」
「強いの?」
「あぁ、油断するなよ。」
すると、美空が悠生を見る。
「お久しぶりですね、刹那さん。」
「久しぶりだな、美空。」
「……寝返ったんですか?」
「あぁ。」
悠生は迷いなく答えた。
「敵には容赦しませんよ。」
美空は静かに答える。
「来る!」
――次の瞬間。
美空が一気に距離を詰めた。
「速っ!?」
「散れ!」
6人がそれぞれ別方向へ飛び退く。
新たな敵――尋問部トップ、星影美空。
戦いが始まった。
精神牢獄相手を精神的に追い詰める檻に閉じ込める魔法。
「えっ?」
時雨たちの視界が歪む。
「何?これ?」
「あなたたちを精神的に追い詰めています。そして、過去のあなたたちが思い出したくないものを見させています。」
時雨たちは苦しんでいた。
時雨の記憶。
連れて行かれる母は、最期まで笑っていた。
「時雨、元気でね。」
それが、母の最期の言葉だった。
父も兄も帰ってくることはなかった。
私は、家族を守れなかった。
あの日の私は、まだ幼くて、何もできなかった。
それでも、心の中では何度も繰り返してしまう。
「私が魔法なんて使わなければ。」
その後悔は、何度眠っても消えることはなかった。
「や、やめて……!」
「お前の髪、どうして白いの?」
「呪われてるんじゃないの?」
誰も理由なんて知らない。
知ろうともしない。
「辛いよ、苦しいよ、悲しい。」
「でも……!」
「……ん!」
「それでも、立ち向かう!」
「なに?!」
「私たちの家族を守るため……私たちの未来を守るため!」
その時、時雨には暖かい光が降り注いでいた。
「今度は私がみんなを助ける!」
美空は動揺していた。
「今まで精神牢獄から抜け出したものはいない……なぜあんな少女が?」
「大切なものを……守りたいって思ったから!」
水刃創造
時雨は水の武器を作り出した。
「とりゃー!」
「まだ立ち上がるとは……。」
心象崩壊
相手の精神を揺さぶり、集中力を大きく低下させる魔法。
「そんなものは効かない!」
「う……!」
「私は、いや、私たちは!自分たちの手で未来を切り開いてみせる!」
「ぐわー!」
「美空さん!よくもやったわねー、あんた!ここからは私が相手よ!」
「待て!一旦退散だ!」
「は、はい。」
瞬間転移
「……あなたたちはなぜ浄化機関が魔法使いを嫌うのか知っていますか?」
「えっ?」
その瞬間、美空たちは見えなくなった。
「あっ、そういえば!みんな!大丈夫?」
時雨が振り返るとみんなは倒れていた。
「し、時雨、ありがとう。」
「おかげで助かった。」
「うん、そういえば狐の仮面の人は?」
「あの人は、精神牢獄に耐えられなくて、先に離脱したよ。」
「えっ?あの人が?」
「うん、精神攻撃が弱点みたい。」
「そっか……。」
「でも、本当にありがとう。」
「うん。」
今まで最強だと思っていた。
狐の仮面の少女を。
あの人には謎が多い。
そして、ちゃんと人間なんだなって思えた。




