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仮想 少年✖️少女  作者: libero protocol
大地✖︎少女の夏祭り編

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3/18

第3話 大地とカチコチ脳

かき氷の食べ過ぎの頭キーーンってあれどうにもならない苦しみですよね。

「がっ……、ごほっ、う、頭が……!」


 ダイチはこめかみを両手で押さえ、文字通り机に突っ伏していた。脳ミソがカチコチに凍りついたかのような激痛に耐えながら、スプーンを動かし続けた。


(これが……ヒントの代償かよ……!)


 ガチガチと震える手で、必死に氷の山を削り、口へ運び続けた。――しかし。


「ふぅ。ごちそうさま。やっぱりお祭りのイチゴ味は鉄板ね」


 ふいに、対面からそんな涼しげな声が聞こえた。


 ダイチが涙目で顔を上げると、そこには信じられない光景があった。


少女の目の前にあるかき氷は、上のほうがほんの少し綺麗にすくわれているだけで、九割以上が手つかずのまま残っている。


「……は? お前、全然、食って……」


「え? 私、ただかき氷が『食べたかった』だけって言ったじゃない。お腹いっぱい食べたいなんて一言も言ってないわよ?」


 少女はハンカチでちょんと唇を拭うと、さっさと丸椅子から腰を上げた。煽るだけ煽って自分を極限まで追い込ませておいて、自分はほんの少し味わっただけで満足してゲームを放棄する。


「お前……っ、ふざけんなよ……!」


「はいはい、怒ると余計に頭に響くわよ。もういいわ、さっさと行くわよ、ダイチ」


 少女はダイチを一瞥いちべつすることもなく、くるりと背を向けた。その足は、迷いなく群衆をかき分け、さっきスプーンで指し示した山の上の巨大な鳥居へと向かっていく。


「待て……! ゲホッ、おい、待てって……!」

 ダイチは痛む頭を押さえ、冷え切ったお腹を引きずりながら、慌てて椅子を蹴って立ち上がった。本当に、どこまでも理不尽で、意地悪で、マイペースな奴だ。


 だけど、暗闇に消えていくあの華奢な後ろ姿を見失ったら、俺はこの世界で、本当に一人きりになってしまう。

がんばれーダイチ!


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