nAmBAr.00-21「ユニバンお披露目会場」
「しかしさあー、ガチ宇宙って事だとこれガチプラネタリウムだよね? あちき幼い時行った事が有って、それがこの頭の星の生成に一役買ったのかなん?」
「へぇ、そうなのか。イバが行った事が有ったとして、彼の五感と俺のそれは間接的にしか結びついて無いから俺の方は実感としては大分乏しいな。しかしプラネタリウムはプラネタリウムでガチなんじゃないのか」
「ん? んー、あーしが言いたいのはワンランク上のプラネタリウム見学に紛れ込んじゃったみたいだよねって事。今までの試練試練してた奴と比べると半分デートみたいでワクワクしない? にひひっ」
「う、デッ…まあ刻一刻と俺達の心音のエネルギーとでも言うべき物が消費されてるんじゃないか、って部分を除けば同意しないでも無いが」
「うわ、ニパ君顔真っ赤じゃん。ワードチョイスミスった? 完全デート、って言ったらニパ君の心音ベース最大音量化して暴走からの試練失敗に向かう奴?」
これ以上は堪らない。実際試練が良からぬ方向に雪崩込むと目も当てられないのでストップを掛けて置く。
「ああ、デートデートの連呼は今は止めて置いてくれ、生命救済の本業に差し障る。俺みたいな女の子方面しょうもない人生の男子を揶揄いたくなるのも分からんでもないが」
「あはは、そんな災難続きのニパ君の為にぃ、ジャーン! ピクニックのおにぎりお弁当ならぬ隠し玉を今回は用意しております!」
また突拍子も無い事を…でも喜ばせようと言う意思が主体なのは分かるので悪い気はしない。
「なんだ、それは?」
「あーし達ってばやっぱなんと言ってもユニバンじゃん? 曲が無いとさ曲。あーしずっとニパ君のサポートをしながらこれのお披露目の機会を伺ってたんだよね。それが何時かって言ったらこの宇宙の絶景が広がっている今でしょ、って言うね。お花見の酒を旨くするのが桜の花ならば、おにぎりお弁当を美味しく食べられるのもこの地球が、月が、太陽が微笑みかけてくれているこの場所においてこそってね、そう思うんだなん」
お弁当…。彼女は飴だけで無くそう言った喜びの記憶も、オリジナルのイバの初恋相手から分岐した存在とは言え脳裏に焼き付いているのだ。私は先程五感での知覚に言及した。視覚、聴覚、触覚、嗅覚、ここまではまあいいとしよう。味覚、それはせいぜい涙や汗の塩味位な物で到底全うな機能を遂げられていない要素だ。口の喜び、イコール歌、それをお弁当に準えてくれた彼女はやはり心根の温かな人物であるとそう言わざるを得ない。私は、彼女の歌唱お披露目会の提案を快く受け入れる事にした。
空想交じりの扉絵気味と言う事でw




