nAmBAr.00-00「不良達へ」
「なーんて、あちきらしく無い語りが続いちゃったかなん? ニパ君、深刻に捉えなくてもいいよん。あーしは星を頭に宿す少女として言いたい事全部ぶちまけただけ。ニパ君にはニパ君の本音が…」
堪え切れず吹き出してしまう私。そうか、私は当初思っていた「一番手の生命救済を選ばねば自死が待っている」と言う段階をようやくクリアして何か次を見据えられる境地に立つ事が出来ていたのか。ただ、可笑しく思えたのは勿論そこだけでは無い、ローニャのお堅い真面目さの裏側に有る狼狽が特に可笑しかった。多分選んで欲しくないのだ、自分が言った様な果てない人類の夢に関する泡沫の道を。
「あー、笑ったなん、一世一代の大見得切りだったのにさ」
「そんなに一人称あっちこっち行ってたんじゃ見透かして下さいって言っている様なもんだろ。分かってるよ、ローニャが地球を誰よりも愛していてそこでの人類の可能性を信じたいんだって事は。だって幼い時の記憶は残ってるんだもんな、地球側のあどけない存在としての。ローニャの考えは受け取った、その上でのローニャの気持ち、本音も良く分かった。なら選択肢は一つだ。台座は触るよ、多分二番手達全員が選んだ道筋では無いんだろうが、少なくともお前と一緒に往く俺が取るべき道はこっちだと思う」
「ま、まあそれだけじゃ無いんだけど…」
そこで何やらローニャは赤面しているが、それは飴などへの未練の裏返しだろうか。そこは触れるのもちょっと躊躇われたのでそっとして置こう。いずれ何かの折に聞ける機会も来るかも知れない。まだ我々の旅路は、その全てが終わったと言う物ではない。
「じゃ、触ろうか。あんまり待っていると『二番手は銀河の花の種への道を選択しました』って言う事に強制的になってしまって俺達の望んだ未来が閉ざされてしまう可能性もある。準備は良いか、ローニャ?」
「え、あ、うん。いいよん。やっぱりあちきの相棒が物分かりのいい優等生君で助かったよん」
赤面を見られた事へのお返しか、やや皮肉めいた返しに私は若干抵抗を覚えたがそれも仕方ないか。乙女心を安易に覗くのは男子禁制領域かも知れない。
「はいはい、せいぜい赤点にならない様次の試練でも足掻いて見せますよっと。おっと、俺だけじゃ開かない形みたいだな、ローニャも頼む」
「はいなーん」
また新しい語録かよ、等と思ったのも束の間、台座の如雨露が姿を消したかと思うと今まで二回に掛ける事二で四回経験して来た空間の裏返り、その初期状況が我々を包む。私は捨てた、銀河の花の種としてまた眠りの境地に入る流れを。一瞬、この空間と似た様な何処かで種への凍結を選んだ数多の二番手の恨めしがる無数の瞳が蠢いた様な感覚を察知し脳裏に怖気が走ったが、その”不良”達に対して私の回答はこうだ。お疲れ様、同胞達。今はまだ結果を出せていないと言うだけで物事の優劣が決まると言う話では無い。私は私の道を往く、あなた方も自分の選択に自信を持って欲しい。いずれ銀河に色取り取りの花を咲かせてくれ。…さようなら。
刻一刻と変わる台座(謎




