nAmBAr.11「小宇宙の壁」
私はローニャに連れられて、心音の警告が有ったと言う地点に向かって居る。移動の効率、と言う事で普段は浮いて偵察をしているらしい彼女も今は私に歩幅を合わせていて地上を往く人となって居た。私とローニャの共鳴が14.9からのカウントダウンの試練時に発生していたと言う事は、私にも感知出来る可能性は高いが今はまだその時が来ていない。アメロッカとフレワーミッシュと言うイバの二大祝詞の仮称、そのどちらかに関する胸騒ぎだったとしたローニャは、私が待機していた場所に頭のお星様群から一個を抜き取りそれを目印として置いていた。それさえ置いておけば位置を感知してまた次の偵察を行うとなった際にもそこから始められるのだそうだ。頭の中の数字が踊ったりカウントダウンを始めたりするのも含め、彼女のサポーター性能は必要不可欠なものだと言っていい。
「うーん、そろそろだと思ったんだけどなん…」
一人ごちる彼女。
「なんだ、そこには星を置いて行かなかったのか」
「んー、星って実は抜くとちょっと痛いと言うか、なんか体の一部が抜ける感覚が有ってあんまり好きじゃ無いんだよねあーし。さっきのは已むに已まれずって感じでだよん。地面に置くのもあまり衛生的ではないし」
そこら辺は初恋の君と言う人間から分岐した超常的な彼女と、端から受精の二番手として恒常的に維持される各種生理面を除けば人間性能からそこまで逸脱して居ない私との差か、感覚共有はなかなか難しいが相槌は打っておく。
「なるほどね、飽くまで自分の方向感覚を信じたってな所か。しかしなんだな、これも試練の内だとすると段々とその胸騒ぎ地点もあの星を中心にどんどん遠ざかってたりしてな。宇宙って光を凌ぐ速度で膨張しているらしいじゃないか? そこまで極端じゃないにしても、宇宙の壁とも言える端っこをその地点に準えたらさ」
「うー、ブルッと来る様な事言うねえ。案外有り得なくもなさそうなのがこの異空間の怖いとこだけど…。じゃあ祝詞二番目の試練の事も考えて一番目はサクッと終えておきたい所だなん」
そう軽口を叩いていたローニャの動きが止まる。何かを察知した様だ。
「来たのか?」
「うん、来たよ。これだ、あの時の感覚。ニパ君はまだ?」
「まあそうだな、俺はお前ほどアンテナとして研ぎ澄まされて居ないのかも知れないがまだだ」
「そうか…。じゃあ、用心深く進んで行こう。用心をせず何かあってからでは遅いからね」
事態を感知する、その一面で私より今までも上回り続けて来た彼女の言を噛み締めながら進んで行く。我々のこの旅路の最果ての一端、この小宇宙の壁。それが今、私達が触れる事の出来るすぐそこまでひたひたと迫っていた。
なんか覚醒してるローニャの星 普段有ったり無かったりだったのでこのパターンは新鮮
バックは壁のイメージと言う事で 後ろに来ちゃってるけど




