nAmBAr.20「星の花との対話」
「ありがとう」
「しかし銀河としてのフラワー未遂か。フレワーミッシュ、フライムミスト。大元の響きは一体なんなんだろう。アームロック化、飴廊下ばりにこっちも響きが並んでいるとなるとこれは偶然じゃないね。この仮称アメロッカ、フレワーミッシュは前も言ったけど多分イバの幼少期の根幹であり信念とも呼べる物。ちょっとやそっとじゃ揺るがないってのがこの強固なリアクションの数々としてあーし達に降り掛かって来ているって感じかなん」
「なるほどね、しかしここってこんな風に会話が捗る位には穏やかだがこうやって過ごしていていい物なんだろうか」
私は辺りを見回す。この宇宙エリアには銀河の様に見える手頃なサイズの星の花が開いているばかりで特にシャボン壁の配置も無く、平穏なのはいいがそれでもゴールが分からない。
「んー、とりあえずあの銀河を模した花を触ってみるとか?」
そう言ってふわふわと銀河花の方に向かっていくローニャ。そしてそれを一撫でする。するとそれは霧散し消えてしまった。それによりまた別所に新たなもう一輪が発生した様だ。
「おー消える、か…。今一瞬銀河の感情と言うか、遺言みたいな物が流れ込んで来る感覚が有ったなん。これが知性の輝きか、みたいに」
「へぇ。まあそれも触ってみないと分からない感覚か。どれ俺も」
私も平時のローニャ然として浮かびながら銀河の花の方に行ってそして触ってみる。確かにそれは消えてしまう前何かをこちらの心に伝達している様な感覚が有った。知性の発現を遂げられなかった虚しさ、知性に出会えた喜びと裏腹の渇望。その後それは散りまた次の同志にその儚くも貴重な出会いの刻を知って欲しいとばかり別の花の開花を生じさせた。私達はそのノスタルジックな花との『対話』を楽しみながら過ごしていたが段々とここからの脱出について考える方に心が傾き出している自分に気が付いた。それはローニャも同じ様だった。
「ねぇ、これさあ触る順番が有るんじゃないかなん?」
「順番か…。こんなメモも用意出来ない環境下で順番と言われても困るけどな。順番と言うか、二人同時の知性をぶつけてみてはどうだろうか、一つの花に対して」
「あーそれ妙案かも知れない。やってみよう」
私達はタイミングを合わせて一つの花に同時に触れてみた。花は同時に入って来た『男女』と言う相反する属性情報に驚きを隠し切れない様だった。結局それは消えてしまったが銀河の花は二つ新たに生じた。まるで男女の双子の様な中心に紫と赤をそれぞれ携えた姿だ。残りの白いままの銀河の花は後五つ。




