IF第68話 VS大悪霊2
大悪霊の圧倒的な強さに二人はなすすべもない。
「ハァハァ……ガミオ殿下、支援を強化します……それで……」
「封印魔法……使うか?」
「はい……その前に大ダメージを……」
「分かった、やってみる……」
「【フォトンバフ】!」
更なる支援魔法をシシラから受けたガミオは全身が輝き、再び大悪霊に剣で戦う。先程よりも強化されたガミオに大悪霊も剣で応戦する。
「むっ! やるノダ」
「当たり前だ! 俺達の背には国と世界がかかっているんだ! 【ライトサンダースラッシュ】!」
「何っ! これはっ!」
ガミオの剣にもシシラの光属性の魔法が宿っていた。そのため、剣で打ち合うたびに大悪霊の剣が削られ、盾で防ぐたびにヒビが入る。予想以上のガミオの強さに大悪霊はシシラへの警戒を弱めてしまう。それが大きな隙となった。
「【ライトウェイブ】!」
シシラから歌が発せられる。光属性の魔法を込めた歌が。その歌は味方を癒やし、邪な者を苦しめる効果があったため、大悪霊は効果抜群だった。
「や、やめろ! 何だこの不快な歌は!?」
「くらえ!」
「っ!」
シシラの歌に不快な反応を見せた大悪霊は大きな隙を作ってしまう。ガミオはそれを逃さずに強力な一撃を与える。大悪霊の角を折り、胴体に大きく切り込むほどに。
「ぐああああああ!」
大ダメージを負わされて倒れ込む大悪霊。これをチャンスとガミオは捉えた。
「今だシシラ!」
「【オーバーライトロック】!」
シシラの手から四角い光のキューブが形成されて、それが大悪霊の頭上に移動する。キューブは大きくなって大悪霊を囲むように落ちる。キューブに閉じ込められる形になった大悪霊。キューブはそのまま小さくなっていく。
(このキューブが女神像に変わる……新たな女神像の構築……それで全てが終わる……)
復活したばかりの大悪霊に大ダメージを負わせたうえでの封印。これで決着する。シシラもガミオもそう思った。
だが、二人の考えは甘かった。
「ウオオオオオオオオッ!!」
「「ッ!?」」
「ワタシを甘く見るのではないノダぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
突如、大悪霊が叫びだし、それと同時にキューブが砕け散った。
「うわっ!」
「きゃあっ!」
破壊されたキューブの跡には大悪霊が額にステンドグラスのような角を生やした姿で立っていた。剣と新たな盾を持ってシシラとガミオに近づいてくる。
「この程度でこのワタシが封じられるとは思わないことナノダ。以前の反省を踏まえて力を温存させていて正解だったノダ」
「な、なんですって!?」
「馬鹿な!? あれで手を抜いていたというのか!?」
シシラとガミオは絶望した。大悪霊の言葉通りなら、二人は様子見程度で苦戦を強いられたことになる。だが、本当の絶望は封印が失敗したことと二人の魔力がもう残り少ないことだった。
「クククッ、どうするノダ? まだ戦う気はあるノダ?」
「…………!」
「く、くそぉ……!」
大悪霊が煽ってくるがシシラもガミオも立ち上がるのがやっと。二人はなすすべもない状況に悔しくて仕方がなかった。もう駄目かと思ったが、この危機的状況で加勢に加わる者たちが現れた。




