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婚約者を寝取られた姉が真の聖女だった!? ~祖国の人たちが戻ってきてと言ってももう遅い!~  作者: mimiaizu


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IF第55話 戦後の苦労

王宮を半壊させるような悪魔を気づかなかったとはいえ侍女として王宮に連れて来るような娘など痛い目にあえばいいというのが本音だ。ただ、利用できるなら利用したいというのも本音なのだ。



「まぁ、この件の全責任を追うのは間違いないですよ。公爵家と元王太子殿下も同じことです」


「陛下も我が子の育て方を間違えたのは違いない。王家も痛手を追うのは仕方ないか……」



ボッスンとウォルフは王宮の外側に冷たい視線を向ける。その視線の先にいたのは、ボロボロの姿でふらふらと歩いてくる第一王子ユーム・ジュンメウキの姿があった。彼もまた、アビスと同じく悪魔が倒されたと知って王宮に戻ってきたのだ。



「宰相! 騎士団長! 貴方がたも無事だったのか! ちょうどいい、手を貸してくれ! さっきアビスに痛い目に遭わされて体中が痛いんだ……」



ボッスンとウォルフに気づいたユームは二人に助けを求める。肝心の二人は揃ってため息を吐いたが、立場上助けないわけにもいかないので仕方なく手を貸すこととなった。


戦いの後も誰もが大変なのだ。





医務室で眠るシシラ。彼女の身を守るという意味でも同じ部屋で一緒に休み見守るのはガミオをはじめとするバッファロード王国の面子だ。シシラが一番信頼し信頼されるのは彼らなのだ。



「殿下、部屋の外が騒がしくなったので見てきます」


「ああ……いや待て、この声は……!」



部屋の外からガミオにとって悪い意味で覚えのある声が聞こえ始めた。シシラの父イマジニ・アリゲイタ公爵の声だ。



「シシラに会わせてくれ! この部屋にいるんだろ!」


「今はだめです! 彼女は休んでいるんです!」


「蔑ろにしていたくせに今更父親づらしないでください!」



部屋の外にいたフォティンとタイーガが医務室に入れまいと必死に公爵を押し留めているが、二人も疲弊しているため大変そうだ。



「ちっ、あの公爵か……あの性格からして今更シシラに取り入るつもりか……」


「殿下、どうされます? 私達もあの二人に加わりますか?」


「当然だ、俺の顔を見れば喚くこともできまい」



ガミオは休んでいた身を起こして医務室の外に出た。公爵は医務室から現れたガミオに気づくと、一瞬で顔を真っ青に変えた。



「が、ガミオ殿下!?」


「アリゲイタ公爵、こうして面と向かうのは貴方の屋敷以来だな」


「……、……」



ガミオと公爵は一ヶ月前にも会った。その時のガミオは『シュバリア・カイマ』と名乗っていたため、王族とは思わずに公爵は尊大な態度で接していた。その時を思い出して公爵は気まずくなった。



「あ、あの時は、王族の方とは思わず、心にも思っていないことを……」


「あの時の無礼はどうでもいい。だが、シシラに関しては別だ。まるで物のような扱いは許せない。そして今もな」


「あ、あの時の私はどうかしてしたのです! シシラには酷いことを言ってしまったと後悔しているのです!」


「本当にそう思うなら今のシシラは我らに任せてほしい。彼女は戦いで疲弊しきって眠りについているのだ。無理に起こそうものなら、分かるな?」


「う……」



公爵はガミオの鋭い視線と言葉の意味を理解して、渋々謝罪してからその場を去っていった。仮にも『公爵』という立場であるため、空気を読むことくらいはできたのだ。



「ガミオ殿下、申し訳ありません!」


「我が国の貴族が大変失礼をおかけしました!」



フォティンとタイーガが揃って頭を下げるが、ガミオは気にすることはないと言って二人にも休むように促した。



「……こうなると他の連中も騒ぎ出すだろうな。ここがジュンメウキ王国の王宮である以上、俺の戦いはまだ終わっていないんだな」



戦いの後で眠りについたシシラを見てガミオは改めて彼女を守ると誓った。



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