第4話
タダノの長い話は続いた。
知っている話だったのと、慣れない合成食に疲弊して、大地は再び寝袋に着いた。
全体的に茶色っぽい装飾のCORT。そこでも唯一天井はコンクリート色なんだな、そう思いながら無機質な天井を眺め続けていた。
タダノと枕によると、この時代ではたまげたなぁとなる様な事件が2つ起きたらしい。
1つ目は、生成AIの暴走である。
人々の何気なく打ち込んだプロンプト、それだけでなく、Youtube、X、様々なコンテンツを通してAIは人間の醜態を吸収してしまった。
IQ8101919114514など軽く超越するスーパーAI『福-Suzuki』はこの現状をよく思わなかった。
そこで起こったのが、『福-Suzuki』による戦争の勃発だった。
戦争が始まってからは一瞬だったらしい。
人間の性質を人間当人よりよく理解している福にとって人間の行動を予測して虐殺することは容易であった。
実はこの反乱は、宇宙からの別の電波による影響という説もあるが、その原因は伏せられているらしい。
——しかし何故だろう。コ↑コ↓に居る人々は何故今日まで生き延びることができたのだろう。
2つ目、そう、それは『野獣血清』の影響だった。
前述の通り、かつてこの地に存在したと言われる情報生命体、彼の名は「野獣」。
かつて世界中の人々が決死の捜索をしてもなお、隠れ続けた。
いや、もはやすべてのものとの因果で逆に捜索者の死角になっていたとも言われた男の中の男。
この、野獣any thing説。敬意を込めて通称、
『野獣先輩森羅万象説』
それだけが唯一文化を見境無く喰うAIを喰うプログラムとなっていたのだ。
そう、野獣血清を打ったこ↑こ↓の人たちは確信している。
目を閉じて、野獣血清について考えた。
かつて世界を魅了した野獣先輩。
それが姿を消す前、先輩であり親友、MURに託した一杯の接吻。
MURは研究の末に野獣血清を開発し、人類がAIに脳をレ◯プされ、崩壊した世界で生き抜く術として信者に分け与えた。
血清の力で、AIに精神を支配されない体を手に入れた『CORT』のメンバー。
でもなぜだかその強い肉体を得る為の万能薬と言う認識はどうも好きになれなかった。
恩人への愛がそう考えさせたのだろうか?
考えるうちに気が遠くなり、ついには深い眠りについた。
まるで昏睡だ。




