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第四章 柚衣の遺したもの
名古屋市郊外の古いアパート。
そこに、柚衣の私物を整理する蓮と美咲がいた。
彼女の部屋は、まるで柚衣そのもののように、赤と黒を基調とした艶やかでありながらも冷たさを感じさせる空間だった。
机の引き出しから出てきたのは、数冊のノートと一枚のSDカード。
「これが……?」
蓮がSDカードを手に取ると、美咲が頷いた。
「柚衣が残した証拠。G-NETの秘密データと、鳴海議員の裏取引記録。これがあれば、名古屋の闇を一気に崩せる」
しかし、その中にはさらに恐ろしい真実が隠されていた。
柚衣は、自身がかつて絢斗に監禁されていた頃の詳細な記録を綴っていた。
その暴虐、差別、そして性的虐待の証言。
「……こんなことが、この街で……」
蓮の手が震えた。
一方、外では闇の手先が動き始めていた。
柚衣の遺した証拠を狙う者たち。
蓮たちが動く前に、それを奪いに来る。
名古屋の闇は深く、そして残酷だった。
柚衣の遺志を胸に、蓮と美咲は新たな戦いの火蓋を切る。




