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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン28【試練の塔編】

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六元素の試練

ついに97階。

100階まで残り3階だ!


待ち受けているのは、ドワーフの少年マールによる「六元素の実験」だった。

しかし、ハーベルは正面から挑むつもりはなかった。

アーティファクト【虹色の瞳(モノクル)】で法則を見抜き、《エーテリアル・エンバー》で理を書き換える。

想定外の連続に、試験官のプライドはボロボロ!?

挿絵(By みてみん)


「……ご苦労様! 97階へようこそ!」

出迎えてくれたのは、幼い少女のドワーフ。彼女はハーベルが持つ【虹色の瞳】を受け取ると、それを精巧な銀の台座に嵌め込み、一つの「モノクル」へと作り変えた。


「これを右目に。……そこに見える『真実』を活用してね」

彼女が扉を開けると、そこには二頭身ほどの生意気そうなドワーフの少年、マールが腕を組んで立っていた。


「よお、兄ちゃん。僕はマール。ここからは僕が『元素の実験』を監督しちゃうよ!」

マールが指し示したのは、二列に並んだ計200本のロウソク。


「最初の実験は『炎』。制限時間は10秒。10秒以内に、炎属性の魔法だけで全てのロウソクに火を灯してね。失敗したら……死ぬまでやり直しだよ!」

「10秒で200本!? 無理だろ!」

ブリッツが叫ぶ中、ハーベルは右目のモノクルでロウソクの列を凝視した。


レンズ越しに、ロウソクの芯を繋ぐ「魔力の流動」が線となって見える。

「……なるほど、そういうことか。――《設定》、属性:炎、形状:線状貫通」

ハーベルは《エーテリアル・エンバー》を水平に構えた。


「プシュ、プシュ!」

放たれた二発の魔弾は、ロウソクの芯の数ミリ上を「一筆書き」で掠めるように一直線に駆け抜けた。


ボッボッボッ……!!


ドミノ倒しのように一瞬で灯る200の火。

「……正解だろ?」

「……えっ。あ、ああ……合格だよ」

マールの子供らしい顔が、一瞬で大人のように引き攣った。


「チッ、次は『水』の実験! 100m先のゴールまで潜り抜けてもらうよ。水と風の属性以外は禁止だ!」

目の前に広がるのは、底の見えない巨大な水槽。


ハーベルは再びモノクルで水面を覗き込む。水分子の結合強度が視覚化される。

「潜る必要はないな。――《グレイシャル》!」


プシュ…。ズズズズ…カキーーン!!


ハーベルが銃口を向けると、水面が瞬時に分厚い氷の道へと変わった。


「なっ……潜るって言っただろ!」

「属性制限は守ってるよ。氷は水の一部だ。……さらに、ショートカットさせてもらう。《バースト・エア》!」


パキューーン!!ドガーーーン!!


壁に向かって圧縮空気の弾丸を叩き込み、外壁ごとルートを破壊。

氷の上を滑るようにして、最短距離でゴールへ辿り着いた。


「……ありなのかよ、これ」

「ありだろ、ブリッツ。効率の問題だ」

ブリッツとマールが揃って口をあんぐりと開けている。


「最後は『風』だ! 100mの絶壁を渡って……」

「モノクルで見ると、上昇気流の結節点が見えるな。……風を固めれば足場になる」


トン…トン…トン…トン…トン…。


ハーベルは崖っぷちへ歩み出ると、空中を階段でも登るかのように悠々と歩き始めた。


精霊魔法で培った「風との対話」を、純粋な魔力操作に応用したのだ。

「……兄ちゃん、あんた何者だよ」

「ただの薬剤師さ。……さて、次に行こうか、マール」

「……くそっ、次こそは絶対に泣かせてやるんだからな!」

キャラ崩壊を起こして地団駄を踏むマールを尻目に、ハーベルは98階へと続く扉に手をかけた。


その時、足元から微かな振動が響く…。


ズドドドド、ズドドドドドドドド…。


地鳴りのような、凄まじい爆発音。

モノクルをかけた右目が、階下の壁の向こうで荒れ狂う「漆黒の魔力」を捉えた。

「……レオン。あいつも、すぐそこまで来ているのか」



圧倒的な効率で元素の試練を「ハック」していくハーベル。

新武器とモノクルの相性は抜群ですね。

しかし、マールの表情にはまだ不穏な余裕が……。


元素の実験は、まだ終わっていなかった?

そして、ついにレオンとの距離が物理的にゼロになります!


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