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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン28【試練の塔編】

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アーティファクト

連続戦闘に次ぐ戦闘…。


Lv.30に到達したハーベルの前に現れたのは、塔の過酷さを忘れさせる「休息の街」。


しかし、ただ休むだけで終わらないのがハーベル。


一匹の白猫に導かれた先で出会ったのは、塔の真実を知る(?)謎の老婆と、およそ実用性ゼロに見える奇妙な遺物「アーティファクト」。


一方、先行するレオンは圧倒的な破壊力で階層を蹂躙し、すでに50階へと到達していたが……。

挿絵(By みてみん)


「……まだ、30階か。さすがに堪えるな」

「ハーベル、肩の力抜けよ。ここの空気、今までと違うぜ」

ブリッツに促され顔を上げると、そこには石造りの建物が並ぶ賑やかな街が広がっていた。


30階ごとに設置された中継地点。

ドワーフたちの住まう休息の街だ…。


宿屋に向かう道中、ハーベルは一匹の美しい白猫と目が合った。


「ふふ…可愛いな…うん?」


スッと逃げるその影を、本能的な予感に従って追う。

辿り着いたのは、街外れにぽつんと建つ古びた一軒家だった。


「お邪魔します……」

「……おー。よくここが分かったのう、むにゃむにゃ……」

部屋の奥、ロッキングチェアに揺られていたのは、今にも眠り落ちそうなドワーフの老婆だった。


「婆さん、ここをクリアした奴はいるのか?」

「いまだにおらん……。クリアした者が現れれば、他の挑戦者は強制的に元の場所へ戻されるじゃろうな。……ところで、そこの杖。邪魔じゃから持っていけ…むにゃむにゃ」

老婆が指差したのは、古びて苔むした巨大なスタッフだった。


「デカすぎだよ。要らないよ、そんな邪魔なもの」

「おいハーベル、そこは貰っておけよ!」

ブリッツのツッコミを無視しつつ、ハーベルは名案を思いつく。


「あ、そうだ。作ればいいんだ。《設定》開始――ターゲット、この革袋」

老婆から譲り受けた古ぼけた袋に、薬剤師時代の知識と魔導を流し込む。


「定義:内部空間の無限拡張、および時間停止。……よし、《無限収納袋》の完成だ」

「……え、何それ。ルール違反だろ!!」

絶句するブリッツを余所に、ハーベルは巨大なスタッフ…、

―アーティファクト【呪われた杖】ー

を袋に放り込んだ。


さらに道中で手に入れていた「時の砂時計」や「霧の指輪」など、用途不明のガラクタたちを整理していく。


「婆さん。これ、全部で何種類あるんだ?」

「……10か20か……忘れたわい。むにゃむにゃ……」

ハーベルは直感していた。


この「一見役に立たないアイテム」を10種類集めることこそが、最上層へ至る真の鍵であることを…。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


一方、ライバルのレオンは凄まじい速度で塔を駆け上がっていた。

すでに50階…。


休憩など不要と言わんばかりの猛追である。

「レオン、全然休んでないけど大丈夫?」

「ああ。早くクリアした方が、ハーベルを驚かせるからな」

相棒のミーシアが心配する中、レオンは50階の試練「無限ゾンビビル」に直面していた。


閉鎖空間に溢れ出す死者の群れ。


チマチマと倒すことに飽きたレオンは、ビルの外壁を蹴って一気に地上へと飛び降りた。


「……面倒だ。まとめて消えてもらおうか…」

途中手に入れた愛用のセプターを天に掲げる。


「ヴォイド・コラプス!!」


極小の闇の球体が着弾した瞬間、ビルの下層階を飲み込むほどの重力崩壊が発生した。


ピッ…ズドドドド…ドキャーーン!!


支柱を失った巨大なビルが、轟音と共に垂直に崩落していく。


「レオン、無茶苦茶ね……」

「効率がいいだろ?」

不敵に笑うレオン。しかし、彼はまだ気づいていない…。


ハーベルが街で「白猫」と出会い、塔の真の攻略法に一歩近づいたという事実に…。



爆走するレオンと、寄り道でフラグを回収するハーベル。


現在、レオンは50階、ハーベルは30階。

数字の上ではレオンが圧倒していますが、ハーベルの手元には5つの「アーティファクト」が集まっていました。


塔の難易度が激変する後半戦。

二人の進む道が、ついに大きく交差します!

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