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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン28【試練の塔編】

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ジリ貧

「俺、Lv.1だった!」

ドラゴンを倒したものの、己の脆弱さを再確認したハーベル。


次なる試練は「拳闘士の間」。

乏しいトークンをやり繰りし、装備を整え、文字通りの肉弾戦に挑む。


一方、先行するレオンの前には、自身の写し鏡である「銀のスライム」が立ちはだかり、命の魔力をじわじわと…。

試練の塔、本格始動!

挿絵(By みてみん)


ハーベルは光のエスカレーターを昇り、次なる階層へと足を踏み入れた。

そこは、荒々しい熱気が漂う「拳闘士の間」。


「おい兄ちゃん、丸腰じゃ死ぬぞ。ここで武器を買っていけ!」

ドワーフに連れられ入った武具屋。


棚には様々なナックルが並んでいるが、どれも溜息が出るほど高価だった…。


「残高はどうなってるかな……お、増えてる!」

スマホを確認すると、前回の報酬でトークンが補充されていた。


ハーベル ♂ Lv.2

魔力:1500(伸び率がおかしい)

トライアルトークン:2000

魔法属性:光2 / 水2 / 風1……


「ハーベル、これなんかどうだ?」

ブリッツが指し示したのは、青白い火花を散らすナックル。


『ボルトストライク』R


「雷属性か。しっくりくるな!」

2000トークンをタッチ決済(?)で支払い、全財産を投じて装備を整えた。


「よっしゃ、ブリッツ。魔力を分けておくよ」

相棒の宝石に魔力を注ぎ込み、準備は万端。


扉の先で待ち構えていたのは、巨大なアイアンゴーレムだった。


「はあああ! 喰らえ、《雷神拳》!!」

ハーベルが拳を突き出す。……しかし、何も起きない。

「あ、れ? まだレベルが足りなかった……」


バシュ…ドガーーーン!!


硬直したハーベルを、ゴーレムの鉄拳が容赦なく弾き飛ばした。


「ぐはぁっ! 痛ってぇぇ……まだ使えないのかよ!」

壁に激突しボロボロになりながらも、ハーベルは即座に立ち上がる。


突進してくるゴーレムを紙一重でかわし、その腕を掴んだ。

「これならどうだ! 《ボルトストライク》!」

ナックルから放たれた高圧電流がゴーレムの巨体を硬直させる。


「仕上げだ! 《ライトニング・ショット》!」

電撃を纏った拳を振り抜くと、雷の塊がゴーレムの頭部を直撃。

鉄の巨躯が熱でドロドロに溶け落ちた。


「ふぅ……。ブリッツ、回復お願い!」

「任せな! ナイス根性だぜ、相棒!」

尻尾でハイタッチを交わし、ハーベルは着実に「拳」の練度を上げていった。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


一方、レオンはすでに五階へと到達していた。

「ここが最初の中ボスだ。……気をつけろよ」

管理人のドワーフが扉を開く。

そこにいたのは、銀色に輝く小さなスライムだった。


「これが、中ボス……?」

拍子抜けするレオンだったが、スライムに触れた瞬間、戦慄が走った。


銀色の流動体はもごもごと形を変え、レオンと全く同じ姿、同じ装備へと変貌したのだ。


「レオンだ! レオンが二人いるわ!」

相棒のミーシアが叫ぶ。


スライムはレオンの動きを完璧にトレースし、ブラッディーナイフでの格闘を仕掛けてきた。


キンッ、キンッ…キンキンキンッ!

激しい火花が散る。


攻撃を当ててもスライムは無傷だが、レオンは微かな掠り傷から魔力を吸い取られていく。


「レストレーション!」

レオンが回復魔法を唱えれば、スライムも同時に回復する。


まさに鏡写しの死闘…。


「……なるほど。僕の動きをなぞるだけなら……」

レオンはナイフを収め、静かに命じた。


「ミーシア、お前の番だ。爪攻撃!」

「分かったわ!」

ミーシアが空からスライムへ襲いかかる。


スライムは微動だにせず、なすがままに引き裂かれていった。


「やっぱり……トレース対象以外の介入には対応できないのか。ミーシアがいなければ、魔力が尽きるまで削られる『ジリ貧』の戦いになるところだったよ…」

レオンは安堵の溜息をつき、魔力増強のために風魔法で体を浮かせたまま(空中浮遊修行)、次なる階層を見据えていた。



二人とも順調に階段を昇っていますが、塔の本番はここからです。

レベルアップによるステータス上昇、新たな武器、そして「自分を超える」試練。


次なる階層では、失われた古代の遺物――「アーティファクト」が彼らを待ち受けています。


最強の薬剤師と天才魔導師、その差が少しずつ開き始める……!?


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