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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン28【試練の塔編】

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ルミナス・クエスト

いよいよ始まった魔導王への試練「ルミナス・クエスト」。

丸腰に近い状態で塔へ挑むハーベル。

どん底からの再スタート、その第一歩が今、踏み出す!


挿絵(By みてみん)


「二つの条件……?」

ドワーフの管理人が指を二本立て、不敵に笑う。

「一つ、ここに入れば貴様の全ステータスはリセットされる。二つ、一度挑戦すれば100階に到達するまで、死んでも出られん。……どうだ、おじ気づいたか?」

「分かった。受けるよ」

「……はあ!? お前、バカか? 狂ってるのか?」

即答したハーベルに、ドワーフが素っ頓狂な声を上げた。


彼の話によれば、この「エレメンタル・スパイア」は異次元に存在し、古来より無数の猛者が挑んできたが、100階に到達した者はただの一人もいないという。


「俺が最初の一人になるだけだ」

ハーベルが扉の窪みに《聖獅子の宝玉》をかざすと、真っ白な閃光と共に、天高く続く光のエスカレーターが現れた。


「ルミナス・クエストへようこそ! ……じゃあな、ステータスをリセットさせてもらうぞ」

ドワーフがハーベルのスマホを覗き込み、絶句した。

「……なんだこの魔力。バグってやがる。……まあいい、全部『1』にしてやるからな!」


ハーベル ♂ Lv.1

魔力:1000(オマケ付)

トライアルトークン:1000

魔法属性:光1 闇1 炎1 水1 風1 土1……

装備:ただの服


「……本当に全部リセットされたな」

数値化されたジョブ属性や武器属性を眺めながら、ハーベルは光の階段を昇りきった。


辿り着いた一階は、檻が並ぶ市場のような場所だった。


「ここは『召喚の試練』だ! 好きな霊獣を一匹500トークンで買っていけ!」

別のドワーフが騒がしく客引きをしている。


ハーベルは並んだ檻を一つずつ見て回ったが、ふと隅に追いやられたボロボロの檻に目を止めた。

中には、額に虹色の宝石を嵌めた、衰弱しきったリスのような霊獣がいた。


「おじさん、あの子は?」

「ああ、そいつは『ゴミ』だ。魔力切れでもうすぐ死ぬ。売り物にならねえよ」

ハーベルはカチンときて、迷わず財布を取り出した。


「じゃあ、その子をタダで譲ってよ」

檻に近づくと、中から弱々しい声が響いた。

「……うっせえ、見るな。同情なら余計なお世話だ」

「喋れるのか、君」

「はあ!? 俺の声が聞こえるのかよ……。変な人間だな」


霊獣の名は、カーバンクルのブリッツ。


ハーベルは躊躇なく、残された魔力の半分をブリッツに流し込んだ。

「《レメディア・ヴェノミスト》――回復してくれ」

瞬間、檻を突き破るほどの蒼い光が溢れ出した。


光の中から現れたのは、毛並みが艶やかに輝き、魔力が漲ったブリッツの姿だった。


「……おい。お前の魔力、タダもんじゃねえな。……ありがとよ、相棒!」

「ブリッツ、よろしくな」

可愛い見た目に反してドスの利いた声。


そんな相棒を肩に乗せ、ハーベルは「試練の間」へと進んだ。


「さあ、最初の試練だ。こいつを倒してみせろ」

ドワーフが扉を開けた先――。


そこには、10メートルはあろうかという巨体を持つ、紅蓮の古龍《レッドドラゴン》が鎮座していた。


「おいおい! いきなりドラゴンかよ! 通す気ねえだろ!」

ブリッツが叫ぶが、ハーベルは静かに一歩を踏み出す。


ブォーーン!!ドスッ!!


ドラゴンの無慈悲な一撃がハーベルを捉え、彼は凄まじい勢いで壁まで吹き飛ばされた。

轟音と共に石壁が粉々に砕け散る。


「ハーベル!!」

土埃が舞う中、ブリッツが悲鳴のような声を上げた。

しかし、瓦礫の山からゆっくりと人影が立ち上がる。


「……ふぅ。やっぱり、事前に魔力のバリアを張っておいて正解だったな」

ハーベルは首をコキコキと鳴らし、汚れを払いながら不敵に微笑んだ。


その瞳には、Lv.1とは思えない静かな闘志が宿っていた。



どん底からのスタート……のはずが、ハーベルの「薬剤師」としての回復能力が、リセットされたはずのルールすら超越しようとしています。


相棒ブリッツとの凸凹コンビで、最初の壁、レッドドラゴンを突破できるのか!?


魔導王への道、波乱の幕開けです!

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