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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン27【エレメンタル・スパイア編】

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全王会議

風と土が古の物語を運ぶ森、ウィスパーウッド。


そこにある湖畔の別荘に、ついに六カ国の王(ソブリン)が集結した。


過去の過ちを認めたメルキドの涙、そしてハーベルとレオンの熱い誓い。

全てが揃った神器を手に、一行は伝説の空中楼閣「エレメンタル・スパイア」を目指す。


いよいよ新章、開幕!!

挿絵(By みてみん)


Whisperwood: (ウィスパーウッド)

土の大精霊テラガイアの加護を受け、木々が秘密を囁く神秘の森。


湖畔に佇む瀟洒な別荘の円卓に、六人のソブリンが席を並べていた。


エリスが口を開こうとしたその時、ムーンヘブンの王・メルキドが勢いよく立ち上がった。


「エリス殿、話を遮る無礼を許してほしい。……その前に、どうしても伝えたいことがある」

かつての尊大さは消え失せ、その表情には深い悔悟の念が浮かんでいた。


「私は自らの科学に溺れ、思い上がり、取り返しのつかない過ちを犯した。特にハーベル君、レオン君……君たちの厚意を裏切ろうとした私を、どうか許してほしい…」

メルキドは二人に、そして円卓の全員に向けて、絞り出すような声で謝罪し、深々と頭を下げた。


「メルキドさん、もういいですよ。国が元に戻った、それが全てです」

「……ああ。魔王軍をぶっ飛ばす時、あんたの科学の力が必要になるんだ。期待してるぜ」

二人の屈託のない言葉に、メルキドは目元を拭い、再び椅子に座した。


エリスが凛とした声で会議の開始を告げる。

「では、これより全王会議を始めます。議題は――『エレメンタル・スパイア』の攻略、および次代の魔導王(マグスロード)について」


魔王軍の幹部に抗う唯一の手段、それは世界の頂点たる「魔導王」の座。


エリス、アクシア、サリエル、そしてメルキドは、自らは王の座を目指さず、適格者を支援する立場を表明した。


「俺は目指すよ。この世界を、誰も悲しまない場所に作り変えるために!」

「僕もだ。僕が王になっても文句ないだろ、ハーベル?」

ハーベルとレオンが不敵に笑い合い、ガッシリと肘をぶつけて拳を合わせた。


二人の絆に、円卓からは温かな拍手が送られた。

「よし、決まりね! 各自、ソーサリーエレメントへ戻り、宝玉と神器を捧げなさい。神獣たちがあなたたちを空のスパイアへと導いてくれるはずよ!」


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


【ルミナラ】の聖域にて。

「ハーベル、気をつけてね……!」

「ああ。行ってくるよ、ネル」

ハーベルはネルを強く抱き寄せ、その額に優しくキスを落とした。


《聖獅子の宝玉》と《天光の鎧》を捧げると、虹色の輝きと共に、黄金のたてがみを持つ威風堂々たる「聖獅子」が現れた。


「ハーベルよ。汝の魂の輝き、しかと見届けた。我が背に乗るがいい」

「よろしく、聖獅子!」

聖獅子は力強く空を蹴り、一気に雲海を突き抜けて上昇していく。


受ける風の心地よさに、ハーベルは魔導王への決意を新たにした。


到着した「エレメンタル・スパイア」の入り口には、すでにレオンたち五人が揃っていた。


すると、重厚な扉の前に陣取っていた小柄な人影が声をかけてくる。

「おい、そこらの人間ども! 待ちわびたぞ」

現れたのは、頑強な体躯を持つドワーフの老人だった。


「俺はこの塔の管理人だ。……さあ、命知らずの『ルミナス・クエスト』に挑戦するか? それとも、宝玉と神器を置いて尻尾を巻いて逃げ出すか。どっちだ?」

ドワーフはニヤリと笑い、二つの条件を提示した。


「入り口を開けてほしければ、二つの誓いを立てろ。……一つ、引き返すことは許されん。二つ、汝らの『魂の輝き』を糧として差し出す覚悟を決めろ。……どうする?」

ハーベルは一歩前に出ると、迷いなくドワーフの瞳を見据えた。


物語は、最も過酷で、最も輝かしい試練へと突入する。



ついに六つの宝玉と神器が共鳴し、試練の塔の扉が開きました。


メルキドの和解を経て、物語はいよいよ「試練の塔編」へ!


ドワーフが課す「二つの条件」の真の意味とは?

そして、塔の内部で待ち受ける最初の試練とは一体!?

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