救世主登場
残り時間はわずか…。
暴走する魔鉱炉が世界を飲み込もうとする中、リーフィア師匠が連れてきたのは一人の少女。
「一つだけ、この世界を救う方法があります。……それは、この子の力を使うことです」
リーフィアが手招きをすると、一人の少女が静かに歩み寄ってきた。
オウカ【剣士】
リバースサーフェス
:未来と過去(時間)
《NexGen / Ancient》
(ネクスジェン・エンシェント)
属性:光・闇
元職:サムライ
「時間を操る……? まさか、レオンの父さんのような力か?」
ハーベルが驚きに目を見開くと、リーフィアは静かに首を振った。
「ええ、ですがアルクよりも広範囲、かつ深層の因果に干渉できる可能性を秘めています」
リーフィアの説明はこうだ。
オウカの能力は、対象の時間を過去に巻き戻し、あるいは自身を未来へと飛ばすことができる。
しかし、これには致命的な欠陥があった。
「運命の収束……。過去を書き換えても、一度決まった『滅び』という結果は、いずれ別の形で必ず訪れる。……そうね?」
エリスの鋭い指摘に、リーフィアは頷く。
「その通りよ。例えば、今ここで魔鉱炉の爆発を無効化しても、運命が収束すれば明日には別の理由で爆発してしまう。……けれど、そこにクラリッサの力が加われば話は別よ」
「……私?」
突然名前を呼ばれ、クラリッサが目を丸くした。
「ええ。オウカが世界線を『惨劇が起こる前の過去』へ戻し、その瞬間にクラリッサが《幸運な未来》として運命を固定する。……二つのリバースサーフェスを合致させれば、収束の鎖を断ち切り、この世界を救えるはずよ!」
一同に衝撃が走る。
だが、その代償もまた、あまりに重かった。
大規模な時間の巻き戻しは、術者であるオウカの魔力を枯渇させ、最悪の場合、彼女は数年、あるいは数十年の「眠り」に落ちるリスクがあるという。
「そんな……。いくら世界を救うためとはいえ、この子にそんな重荷を……」
ハーベルがオウカを庇うように一歩前に出た、
その時…。
「私は、大丈夫です」
オウカが凛とした声で笑った。
「リバースレルムが滅ぶのを、黙って見ているサムライなどいません。それに……リナさんの提案があれば、眠り姫にならずに済むかもしれません」
リナが提案した「発動直後に自分だけを未来へ飛ばす」という離れ業。
成功すれば、オウカは「自分が眠り続けていた時間」を飛び越え、目覚めた後の未来に直接辿り着ける。
「……背に腹はかえられないな。オウカ、すまないが力を貸してくれるか」
レオンが深々と頭を下げた。
「決まりね。時間は一刻を争うわ。……現地へ向かうのはオウカ、クラリッサ。そして、オウカの膨大な魔力消費を肩代わりするために、ハーベルとレオンが同行しなさい!」
「「了解!!」」
四人は力強く頷くと、滅びの火種が燻る【ムーンヘブン】の爆心地へと、一気に転移した。
後書き
ついに作戦開始!
オウカの「時間」とクラリッサの「幸運」、そしてハーベルとレオンの「魔力」。
四人の力を合わせた、世界最長の「やり直し」が始まります。
暴走する魔鉱炉の前で、オウカの抜刀が因果を切り裂く!
リナの願いは届くのか。マルスの命は救われるのか。
物語は最大の山場を迎えます!




