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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン27【エレメンタル・スパイア編】

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最後の希望

魔王軍の王子ダリアンによる無慈悲な蹂躙…。


月の国【ムーンヘブン】は一夜にして焦土と化し、最先端の魔導科学は皮肉にも世界を滅ぼす牙へと変貌した。


恋人を失い、心を砕かれたリナ。

廃人と化したメルキド…。


残り時間はわずか半日。

リバースサーフェス崩壊のカウントダウンが始まる中、あの「師匠」が静かに口を開く。

挿絵(By みてみん)


「……ハーベル、助けて……みんな、死んじゃった……」

転移装置から這い出してきたリナは、血と煤にまみれたままハーベルの腕の中で崩れ落ちた。


「リナ! しっかりしろ!」

「フェニックス・レストレーション!」

ハーベルが即座に治癒魔法を展開するが、彼女の傷は肉体よりも精神に深く刻まれていた。


「マルスが……私を庇って……あ、あああああ!!」

狂ったように泣き叫び、恋人の名を呼ぶリナ。

彼女が語ったのは、二人の怪物――。

悪魔王子と魔神龍による、たった数分間の「遊び」がもたらした地獄の光景だった。


「……僕が見てくる。ネル、リナをお願い。レオンとクラリッサにすぐ連絡を!」

ハーベルは表情を険しくし、独りムーンヘブンへと飛んだ。


「なんだ……これは……」

転移した先でハーベルが目にしたのは、かつての銀色の都の成れの果てだった。


精密な魔導建築は瓦礫の山となり、街を象徴する星々の輝きは黒煙に覆い隠されている。


そこへ、うつろな目で彷徨う一人の男が歩み寄ってきた。

「メルキド……さん?」

「ハハハ……終わりだ。なにもかも、ゴミのようだ……」

【ムーンヘブン】の王としての威厳は欠片もなく、彼は狂ったように笑い続けていた。


「魔鉱炉が……私の最高傑作が、世界を飲み込むぞ……」

ハーベルはメルキドを連れて【ルミナラ】へ帰還し、合流したレオン、クラリッサと共に再び惨状の視察へ向かった。


空から街を見下ろすレオンが、一箇所だけ異常なエネルギーを噴き出している区画を見つけ出す。

「ハーベル、あれだ……『魔鉱炉』が暴走してる!」

「衝撃で制御システムが完全に死んでるな。魔鉱石のエネルギーが逆流してる……このままじゃ、あと半日も持たない」

「爆発したら、どうなるの?」

クラリッサの問いに、メルキドが力なく答えた。


「リバースサーフェス……全6カ国が、地図から消える。……段ボール箱で爆弾を覆うようなものだ。逃げ場など、どこにもない」

「全滅……!? そんな、嘘でしょ!」

緊急招集されたアクシアとエリスが絶句する。

サリエルも顔を青くし、絶望に肩を震わせた。


「……唯一の道は、全員を表の世界(サーフェスレルム)へ避難させることだけれど、半日で全人口を動かすなんて不可能よ」

エリスが苦渋の決断を口にした。


誰もがリバースレルムの終焉を予感し、沈黙が場を支配する。


その時、会議室の扉が静かに開いた。


「皆さん、お揃いのようですね」

凛とした声と共に現れたのは、隠遁していた伝説の魔導師。

「師匠……! リーフィア師匠!」

ネルとクラリッサが、すがるように彼女のもとへ駆け寄る。


レオンとハーベルも、一縷の望みをかけて居住まいを正した。


「師匠、もうダメかもしれません……世界が、爆発して消えてしまう」

泣きじゃくる教え子たちの頭を優しく撫でながら、リーフィアは真っ直ぐにハーベルを見据えた。


「絶望するにはまだ早いですよ、ハーベル。……一つだけ、この世界を救う方法があります」

リーフィアの言葉に、その場の全員が息を呑んだ。


滅びのカウントダウンを止める、唯一の「奇跡」。

そして、その代償とは…。



ついにリーフィア師匠が登場!


科学でも、通常の魔法でも太刀打ちできない「魔鉱炉」の暴走。

果たして、伝説の魔導師が語る解決策とは一体何なのか。


四聖獣、神器、そしてハーベルの「薬剤師」としての真価。

全てが一つに繋がります!



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