↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/19

我 覚悟をする



 あの日の出来事から色々と考えた。正直なところ考えたくないことばかりが脳内に浮かんで苦しい時間だった。



 そうやって悩みに悩んだ。でも、考えたところで答えが出るわけではなくて。



 結局、我は気になっていることを本人に直接聞くことにしたのだった。




「あ、茜って……付き合ってる人いる…の?」



 覚悟を持って彼女に聞いたはずなのに心臓の音がバクンバクンとうるさいぐらいになっている。



 それでもちゃんと言うことが出来た。途中途中で噛んでしまっていたけれど。



「え、付き合っている人ですか? いませんけど…急にそんなこと聞くなんてどうしたんですか?」



 確かに茜からしたら、いきなりそんなことを質問されるとは思っていなかっただろう。

 なんでそんなことを聞かれるのかと疑問に思ってもしょうがない。



 我が逆の立場でもそう思う。



「この前、異性と楽しそうに歩いているのを見たから」



「異性? あー、多分それは兄のことですね」



「兄…?」



「そうです。久しぶりに会ってきたんですよね」



「そうなんだ。お兄さんだったんだ」



 そっか。

 全部、我の考えすぎだったんだ。



「はい。いきなりそんなこと聞いてくるなんて先輩…もしかして焼きもち焼いちゃいました?」



 焼きもちなんて可愛い感情だけじゃなくて、あの日も次の日も色々なことを考えた。

 


「うん。茜の彼氏かと思って凄い焦った」



「え……?」



 でも、茜のお兄さんのおかげでモヤモヤとした気持ちが吹っ切れた。



「でも彼氏じゃないなら気兼ねなく言えるね」



 我は心の底から茜が好きなのだと。仕事をしている時の真剣な表情、我を着せ替え人形にしている時のはしゃいでいる顔、お互いの体が触れた時の体温、我の名前を愛おしそうに呼ぶ声。


 語り出したらキリがない。

 彼女の全部が大好きだ。



「何をですか…?」



 もう茜がいない日々なんて想像できない。


 もう彼女を誰かに取られるなんて考えたくもない。


 もうこの好きという感情を抑えることが出来そうにない。



「貴女のことが大好きです。我と恋人になってくれませんか?」



 そうして、我はついに自分の気持ちを茜に伝えたのだった。



 これでもう後に戻ることはできない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。