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我 目撃する


「うーん、気持ちー!」



 歩道を歩いていると、少し強い風が吹いて我に当たる。全身に冷たくて気持ちのいい清風を浴びて心地いい。



 今日の我は珍しく外出をしている。ずっと家に引きこもってばかりでは体によくないだろうと思ったのだ。



 それに散歩も決して嫌いではない。天気のいい日に歩くと景色もいいし、なんだかポジティブな気分になれて好きだ。



 ちなみに今日の目的地は歩いて15分ぐらいの場所にある近所のスーパー。

 最寄り駅とは反対側にあるのがポイントで、通行人が少ないので助かる。



 なんで助かるのかと言えば、我が人のいない道が好きだからだ。



 人の少ない場所の方がなんだか安心することができる。きっと、引きこもりに群衆はキツいのだ。



 そんなこんなで、スーパーにてアイスやお菓子を購入した我は帰路につく。



 その道中で見知った顔を見つけた。反対側の歩道に茜が歩いてるのを発見したのだ。



 我はせっかくなら一緒に帰りたいと思って声をかけようと思ったのだが……



「あれ……?」



 よく見ると彼女は1人ではなく、知らない男と一緒に歩いていた。

 


 

 さっきまで茜に話しかけようと思っていたのに、結局それが原因で我は後輩に声をかけることが出来なかった。



 彼女が男と一緒に歩いているところを直視することが出来なかったのだ。



 その男は誰なのか? 茜とどういった関係なのか? なんでそんな楽しそうに話しているのか?



 そんなことが頭の中で駆け回り、色々な感情が我の心の中で渦巻いた。



 彼女に恋人が出来たのではないかと言う焦りや、捨てられるのではないかという恐怖。大好きな日常が終わるかもしれない悲しみ。



 様々な想いが込み上げてきて、どうにかなりそうだった。



 そうして悲壮感を抱えたまま、気がつけば我は帰宅していた。



 買い物袋の中には茜と一緒に食べようと思って買った期間限定のアイス。



 それを購入した時のポジティブな気持ちとは正反対に、ネガティブな気持ちが我の心を支配していた。

 


 

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