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我 矛盾する


 この前の出来事で我は恋愛的な意味で茜が好きだという自分の気持ちに気がついてしまった。



 気が付かないフリをしたかったけど、好きという気持ちが溢れだして、もう自分の感情を認めるしかなかった。



 認めてしまったら、今まで以上に茜が隣にいる時間が特別なものになった。なんだかそれが楽しくて嬉しい。



 茜は我のことをどう思っているのだろうか?



 嫌ってはいないと思うし、むしろ好かれていると思う。

 でもその好きが我の好きと同じ意味なのかどうかは分からない。



 知りたい。

 彼女が我をどう思っているのか。



 もしも……もしも同じ気持ちを抱いていてくれたならば、そんなに嬉しいことはない。



 晴れて両思いということなる。まさに2人にとってのハッピーエンドだ。



 でも、彼女の気持ちが我のものと違った場合、最悪この関係が終わることになるかもしれない。



 いくら見た目が好みだからといって、茜も恋愛的な意味で好きじゃない、自分に恋心を持っている相手と同棲するのは嫌だと思う。



 それにもし彼女に好きバレしなかったとしても、自分に好意を持っていない好きな相手と暮らすのは精神的にキツい。



 想像するだけでゾッとする。一方通行の想いほど悲しいことはない。



 そんなことになるぐらいなら我は彼女の気持ちを知りたくはない。今の心地よい生活を壊してまで前に進みたくないのだ。



 恋心を自覚はしたものの、我にとっては初めての経験でどうすればいいのか分からない。



 誰かをこんなにも好きになったことなんて今までの人生で無かった。

 我は普通の学生みたいなキラキラとした、漫画みたいな青春時代を送ったことがないのだ。



 他の人たちはどうやってカップルになるのだろうか、どうやってお互いの気持ちを確認するのだろうか、皆んな付き合うまでに複雑な気持ちを抱えているのだろうか?


 

 ああ、彼女の本心を知りたい。けれど、やっぱり知りたくない。



 矛盾した気持ちが我の心の中を行ったり来たりとしていた。


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