我 居心地がいい
ケータイで時刻を確認すると、既に14時過ぎとなっていた。
すでに1日の半分が終わろうとしているが、午前中をほぼ全て寝て過ごしていた我にとっては今からがスタートのようなものだ。
え、寝過ぎだって? ニートとは二度寝する生き物なのである。致し方ない。
それに寝具も茜が高い物を用意してくれたので、しっかりと使わないのはもったいない。
だから我は自分が寝たいだけではなくて、ちゃんと買ってくれた後輩のことを思って寝ているのだ。
ちなみに、お昼前に起きたらなぜか茜が目の前にいた。
どうやら彼女は我の寝顔を見るのが好きなようで、度々こういうことがある。
そんな茜は現在、黙々と机の上で仕事をしている。
それとは反対に我はいつものごとくソファに寝転んで、スマートフォンで推しの生配信を見ていた。
片やゴロゴロとだらけている一方で、一方は真面目に作業をこなしている。
なんと落差の激しいことか。
ちなみに彼女の仕事がなんなのかと言えば、それはイラストレーターだ。
どうやらかなり人気な絵師なようで、それでがっぽりとお金を稼いでいるようだ。
絵を描き始めた理由が自分好みの美少女を表現したいからというのも実に後輩らしいなと思った。
なので彼女はこうやって仕事をしている時間がよくある。
でも不思議なもんで、お互い話すこともなく別々のことをしているのに居心地がいいのだ。
我はニートになりたいと日頃から言ってきたのだけど、それはあくまでも理想であって現実には起こらないものだと思っていた。
経済的な面で自立して早期リタイアするのはかなりハードルが高いし、ヒモとして誰かのお世話になるというのも難しい。
万が一にもヒモになれたとして、よっぽど信頼してる相手じゃければ、色々な面で我の精神的にも厳しかったと思う。
そういうわけで、仲のいい後輩。茜だから安心して我も甘えられるし、我がいることで彼女が凄く喜んでくれるから、この場所に居てもいいんだと思える。
だから彼女と過ごすこの家は凄く居心地がいいのだろう。




