第66話 ポンコツ
ポンコツを自覚してしまう今日この頃です。
ネズミ「やぁ、ウサギくん」
ウサギ「やぁ、ネズミくん。
それ、おもちゃ?」
ネズミ「車のおもちゃだよ。
いいだろ~!」
ウサギ「まさか、盗んできたの?」
ネズミ「馬鹿言ってんじゃないよ!
俺はそんな質の悪いネズミじゃないからね。
ちゃんとゴミ捨て場で拾ってきたの!」
ウサギ「ゴメン! ゴメン!」
ネズミ「いくらウサギくんでも、俺に向かって言っていいことと悪いことがあるんだ、ぜよ!」
ウサギ「だから『ゴメン』て言ってるじゃん」
ネズミ「しょうがない。
今回は特別に許してあげるよ」
ウサギ「ありがとう!
それにしても、いいもの見つけたね」
ネズミ「俺は日ごろの行いがいいからね!」
ウサギ「・・・・(そうかな~?)」
ネズミ「今なんか言った!?」
ウサギ「言ってないよ」
ネズミ「一寸悪いことを言ったように聞こえた気がするんだけど・・」
ウサギ「気のせいだよ。
だから気にしないで!」
ネズミ「今度言ったら、ゲ・ン・コ・ツだからね」
ウサギ「分かりました!」
ネズミ「この車のおもちゃはね、一寸後ろに引いて手を離すと結構なスピードで走るんだよ」
ウサギ「へ~ そうなんだ。
随分あちこち傷ついているようだけど、まだ動くの?」
ネズミ「確かに見た目はポンコツだけど、それが動くんだな~」
ウサギ「一寸動かしてみて!」
ネズミ「いくよ!」
ウサギ「ワクワク!」
ネズミ「手前に少し引いて、いいかい。
手を離すよ。
ソレッ!」
ウサギ「キャー、結構早いね!!」
ネズミ「凄いだろ!」
ウサギ「うん、凄い凄い!」
ネズミ「そんなに興奮しなくても・・」
ウサギ「だってこれ、興奮しない方がおかしいよ。
もう一回やって見せて!」
ネズミ「ウサギくんがこんなに喜んでくれるとは思わなかった」
ウサギ「エッ!
もしかしてこのおもちゃ、僕のために持ってきてくれたの?」
ネズミ「いや、そんなことはない」
ウサギ「でも、今そんな言い方してたし・・・」
ネズミ「それはただの思い過ごしだよ」
ウサギ「まぁ、そういうことにしておくね。
でもこんな凄いおもちゃ、何で持ち主の人は捨てちゃったのかな?」
ネズミ「そうね~
ちょっとポンコツになったからね」
ウサギ「ポンコツね~
まだ充分遊べるのに・・」
ネズミ「そういえばさ、何時だったか俺の出先でさ、『このポンコツおやじ!』って怒鳴られていたご主人がいたな~」
ウサギ「じゃあ、そのご主人もごみ箱行きなの?」
ネズミ「どうかな~??」
ウサギ「後で様子を見てきて、結果を教えて」
ネズミ「ウサギくんも結構ミーハーだね!」
ウサギ「一寸心配になっただけだよ」
ネズミ「物はいいようだね。
分かった、これから様子を見に行って来るよ。
それよりウサギくんもそろそろポンコツになってきたから、捨てられないように頑張りなよ!
じゃあね。バイバイ!」
ウサギ「僕がポンコツって、言っていいことと悪いこととか言ってたくせに、僕に対しては酷いことを平気で言うんだから・・・
でもポンコツになっても大事にすればまだまだ使えるものっていっぱいあるんだよね。
あぁ、あの車のおもちゃ、おいて行ってくれれば僕が遊べたのに・・」
ポンコツはポンコツなりに大事にして欲しい、です。




