座桜駅
月曜日、座太郎の新生活が始まる。
「ここが座桜駅か」
駅の入り口に立ちその歴史を感じさせる建物の造りを見上げた。
そして改めて思う。職場からはさらに遠くなってしまったが、仕方ない。
そう、座太郎は職場近くへの引っ越しを急遽取りやめてこの座桜駅の近くに引っ越すことを決めたのだった。決意したのは金曜日の朝。様々な急遽の契約手続きをこなし何とか間に合わせた。それでもここに引っ越す必要があった。
ここはハジメが引っ越して、そして初日に亡くなった駅。エリには本当のことを言えなかった。あれだけ苦労をかけ心配をかけてしまった彼女にスワリストを続けて遠くの駅に引っ越すとはどうしても言えなかった。
「生徒会長、怒るかな?」
もしそれを伝えていた時の反応を考える。おそらく怒るだろう。そういう性格だ。怒っている顔が容易に想像できる。
「はは、もしまたいつか会うことがあったらちゃんと伝えよう」
座太郎は新鮮な気持ちで駅へと足を踏み入れた。
駅舎の中は普通の駅と何一つ変わらない最新の設備が整っている。改札の上には大型のモニターが3つ並んでおり、一番左のモニターは電車内でよく見る簡易的なニュースや広告を流すディスプレイになっていた。何か緊張を紛らわすため特に興味もないがそのニュースに目を通す。
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「減便・・・」
気が滅入る。
この路線が対象でないことを祈りながら、座太郎は改札を通った。




