表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/126

第121話 思い知る

こちらはカクヨムに掲載された修正版です。

原文ともによろしくおねがいします(*^^*)

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁうまい~~……うますぎるぅぅぅぅぅ」「ピョン」「ワフ」「にゃあ」「ミー」


 全員にしじみ汁を配り終わった彭侯ほうこう

 飲んだ彼らの反応はピョン吉と同じ、みんな感動して目をうるませていた。

 鍋はすっかり空になり弥生様も満足してくれて、作って良かったと満足する。

 どうやら怨怒霊オンドレに味噌はないようで、それならば後で作り方を教えてあげても良いかなと思う。

 しかしそれには一つ問題があった。


「……ピョン吉さん。あなた字は読めますか?」

「ピョン? ……いいえ……僕たち下級はそんな教育など受けていませんピョン……。頑張って勉強しようとしても本を取り上げられてしまうピョン」


 やはり。

 ルルたちは多少ながら読み書きができた。

 しかしここの下級たちは意図的にその知識すらも奪われているのだろう。

 文という武器で反乱を企てないように。


「するとレシピを書いても無駄ですね。発酵やらなにやら内容は理解できずとも、手順さえわかれば案外作れるものなんですけれど……」

「それならばワシが理解できますじゃ」


 後ろから聞き慣れない声がかかった。

 振り向くとそこには人間大のフクロウが。

 不覚にも少し驚いてしまう彭侯。


「うぉっ……と、と、と……?? あ、あなたは確か……石にされていた」

「はい。フクロウ人のゴロスケと申しますじゃ」

「ワフッ!! フクロウのお爺さん元気になったワフ!!」

「話はレレ殿から聞きました。あのとき無礼な態度を取ったにもかかわらず、この度の手厚い保護。なんとお礼を申して良いのかわかりませんですじゃ」


 そう言って深々とお礼をし、弥生の元へと歩み寄る。


「無学ゆえ、無作法をお許しください龍神様」

「ああ、いえいえ……これはこれはご丁寧にどうも……」


 頭を下げたまま近寄ってくる巨大フクロウに、戸惑いながらも返事をする弥生。

 彼なりの御礼作法っぽいが、おもわず頭突きでもされるのかと思ってしまった。 


「ニシナの長老として此度の大恩、いかようにもお返しさせていただきたく思っておりますじゃ。どうか我々を貴方様の奴隷として、その末席にでも加えていただければこの上ない幸せと思っておりますですじゃ」

「いらんいらん」


 重い申し出に、心底嫌そうに首を振る弥生。

 ゴロスケはかしこまってさらに深く頭を下げてきた。


「我々のような下賤な者を下に置くなど龍神様にとって恥でありましょうが、しかし能のない我々下級ではこうさせていただく他に恩を返す術はありませんじゃ。どうかどうか受け入れてはくださいませんか」

「弥生チョップ」


 ――――ぼふ。

「あ」


 見当違いなことを言ってくる阿呆に伝家の宝刀を食らわす弥生。

 されたことの意味がわからないゴロスケは丸い目をさらに丸くした。


「あのねぇ、お礼はもうちゃんと貰ったから。美味しいお好み焼き。ご馳走様でした。はい、これでもうお終いお終い」

「お……お好み焼きですと……?」


 ポカンと回りを見回すゴロスケ。

 そこには昨晩大量に作ったお好み焼きの残骸が鉄板にこびりつきつつ残っていた。

 ニシナの亜人たちにとって、小麦粉とソースを使う料理など高級中の高級。

 それを惜しみなく出し切ったのは、まぎれもなく精一杯のお礼だった。

 弥生もそれがわかっていたからミミズだろうがオケラだろうがアメンボだろうが一緒に食べていたのだ。


 いまになってそれに気がついた彭侯は、あらためて主人を誇らしく感じた。


「弥生様がそうおっしゃっているのです。……あなた方にとっては奇跡のような恩でしょうが、弥生様にとっては取るに足らないことなのですよ。あまり大袈裟に感謝するのもかえって失礼になりますよ?」

「は……はぁ……そ、そうなのですかじゃ……」


 そう言われては引っ込むしかないゴロスケ。

 頭が破壊された怨怒霊オンドレ城を見上げて唾を飲み込んだ。

 あのヨド様すら倒してしまわれたとか……。

 この華奢で綺麗な女性が……まさか。

 とても信じられないが、しかしあの破壊された城は夢でも幻でもない。


 あのときシロ殿が怒っていた『弥生様にかかればヨドなんてコテンパンのチョチョイノチョイ』という言葉は大袈裟でもなんでもない、真実だったのだ。


「あ~~そーいえば昨日の襲撃どうなったの? 随分うるさかったけど。草の壁なんてガーーーーって出して大袈裟なことしてたけど?」

「申し訳ありません。ちょっと数が多かったもので雑な処理になってしまいました」

「どのぐらいいたの?」

「六万弱でしょうか、怨怒霊オンドレ軍、全軍をもっての総攻撃だったようです」

「おやおや、そんな騒ぎだったの?」

「ほとんどは下級亜人による奴隷兵でしたので、それらを傷つけないよう足止めに壁を作りました。その後、上級正規兵に攻撃、壊滅させまして司令官二人を始末しました。命を取ったのはその二名だけです」


「ふ~~~~ん。まあ……しょうがないか」


「はい。示しのためです。それからこの襲撃に関してヨドは一切関与していない様子でした」

「ほほう」

「ですが、これも示しのため、キツめの忠告をしておきました」

「……アンタのことだからまた怖いことしたんじゃないでしょうね?」


 とんでもない内容を平然と話す二人。

 全軍?? 壊滅?? ヨド様にキツめの忠告????


 やはりシロ殿の言ったことは間違いだったのかもしれない。


 話よりも遥かにデタラメなお人じゃないか!!??

 ゴロスケはあらためてあのときの自分を蹴っ飛ばしたい気分になった。

お読み頂きありがとう御座いました。(*^^*)

連載状況の方はツイッターでもお知らせしておりますので、そちらも合わせてお願い申し上げます。

https://twitter.com/t8XlRA1fFbmAm86


                                         盛り塩


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ