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役目を終えた元魔王の現代ダンジョン配信~腹パン魔王に配下の食レポを添えて  作者: やしき丸


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世間の反応(掲示板形式あり)

【みくちゃんが】ダンジョン配信総合スレpart4328【最かわ】


248:名無しのダンジョン配信リスナー

みくちゃんもついに新宿ダンジョン40層探索者の仲間入りしそうだな


249:名無しのダンジョン配信リスナー

パーティなら結構いるけどソロだと初か?


250:名無しのダンジョン配信リスナー

パーティでも数えるほど定期


251:名無しのダンジョン配信リスナー

っぱみくちゃんよ!


252:名無しのダンジョン配信リスナー

みくちゃんのスポンサーに付いてからメテローラ社の製品も売れまくってるらしい


253:名無しのダンジョン配信リスナー

俺もみくちゃんと同じモデルの剣買ったぞ。品質も良くて良い買い物だったわ


254:名無しのダンジョン配信リスナー

たまに配信者には良い物持たせて製品の方はゴミみたいなのもあるからな


255:名無しのダンジョン配信リスナー

キネキソード事件……嫌な事件だったね


256:名無しのダンジョン配信リスナー

結局キネキのパーティは解散しちまったからなあ


257:名無しのダンジョン配信リスナー

>>255-256

くわしく


258:名無しのダンジョン配信リスナー

>>257

キネキっていう配信者パーティにスポンサーが付いた。

当時人気だったキネキとお揃いの剣が出るってことで飛ぶように売れたらしいが、製品がゴミすぎて炎上。スポンサーは製品がある程度売れたところでトンズラ。

キネキが謝罪に追い込まれた。

それ以来配信のコメントも荒れまくって、結局パーティは解散しちまった。

たまに目撃証言が出てくるから探索者は続けてるみたいだけど、表舞台からは消えちまったんだ。


259:名無しのダンジョン配信リスナー

>>258

さんがつ

胸糞案件すぎるだろ……


260:名無しのダンジョン配信リスナー

暗い空気の中ご新規さんごあんなーい

『ダンジョン探索デビュー配信【シュウ/ShuuMaT】』


261:名無しのダンジョン配信リスナー

>>260

新規か。どんな感じ?


262:名無しのダンジョン配信リスナー

>>261

ペアだった。相方に魔王様って呼ばれてた


263:名名無しのダンジョン配信リスナー

>>262

魔王様?ロールプレイ系か?


264:名無しのダンジョン配信リスナー

>>263

そう言ってた。強そうなペアだったぞ。今後に期待


265:名無しのダンジョン配信リスナー

>>264

アーカイブみてみっか



313:名無しのダンジョン配信リスナー

は?なにあれ……


314:名無しのダンジョン配信リスナー

魔王様のアーカイブ観終わったわ。やばくね?


315:名無しのダンジョン配信リスナー

何あの口。ゴブリンを食ってたぞ……


316:名無しのダンジョン配信リスナー

珍しいスキルだな


317:名無しのダンジョン配信リスナー

魔王様も強そうだった。腹パンでゴブリンが消し飛んでた


318:名無しのダンジョン配信リスナー

まだゴブリンが相手だからあれだけど……期待できそうだな


319:名無しのダンジョン配信リスナー

すでに中層くらいなら余裕で通用しそうではある


320:名無しのダンジョン配信リスナー

次いつやるか言ってた?


321:名無しのダンジョン配信リスナー

>>320

初回はテストだけって言ってた。次回いつかはわからん


322:名無しのダンジョン配信リスナー

これはチャンネル登録して追ってみる価値ありそう


323:名無しのダンジョン配信リスナー

俺もチェックするわ


324:名無しのダンジョン配信リスナー

新規探しはこれだからやめられねえんだよな




◇◇◇




「以上が配信のアーカイブになります。ネットの掲示板でもすでに話題になっているようです」


 とある会議室で数人が集まって話し合いをしている。窓はないが、LEDの明かりが部屋を充分に照らしている。

 議題は先日探索者登録された真桐 周について。


「スキル『魔王』か。職業名のようなスキルは珍しいが、前例がないわけではない。そして――」


 上座に座った男性が資料を見る。これまでの前例達の詳細が載っている。


「これまでにそのようなスキルを持った者達は、その属性に引っ張られている……」


 会議室のモニターには、シュウがゴブリンを腹パンで消滅させたシーンが再び映し出されている。


「もし彼が魔王の属性に引っ張られるようなことがあれば、不穏分子となる可能性があります」


 会議の参加者の一人が発言し、他の参加者も難しい表情をしている。


「幸いなことに彼はダンジョン配信を行っています。それを通じて監視する事は容易です」


「早い内に接触して、人柄を見ておいた方がいいのでは?」


「いや。むしろ早急に()()するべきじゃないのかね?」


 中には強硬な手段を取ろうと提案する者もいる。


「もし仮に魔王の属性に引っ張られているとして、いきなり強硬な手段に出て彼が抵抗したら、どんな被害が出るかわからんぞ」


「しかし放っておくのも危険だ。何かしらの対策は必要だ」


 議論が熱を帯びて行く。


「強硬策を取るには早すぎる。まずは近い内に一度接触しよう。その結果を見て、改めて議論することとする」


 上座に座った男性が熱くなりかけた議論を強引に纏めて会議を終わらせた。

 他の参加者が退室した後も、上座の男性は思案を続けていた。


(スキル『魔王』。配信のアーカイブを見る限り、危険な思想を持っているようには見えなかったが、果たして……)


 シュウの知らない間に、勘違いによって大きな力が動き出そうとしていた。




◇◇◇




「チャンネル登録者がめっちゃ増えてる……」


 シュウはびびっていた。たった1回しか配信をしていないにも関わらず、チャンネル登録者はすでに3000人を超え、今この間にも増え続けている。


「掲示板ってすげえんだなあ」


 アーカイブの再生数が予想以上だったので、何か話題になっているのかとネットの掲示板をチェックした。案の定少し話題になっていて、それが予想以上の再生数とチャンネル登録者の増加に繋がっているようだ。


「魔王様呼びが定着しそうだなあ……」


 嫌と言うよりは、スキルがバレることを警戒しているようだ。


「次の配信はたくさんの方が来てくれそうですね!」


 ミディアは無邪気に喜んでいるが、シュウは少し緊張していた。


「もうちょっと地道に増えて行くと思ったんだけどなあ」


「いいじゃないですか。たくさん視聴者さんが来てくれれば、きっと賑やかで楽しいですよ!」


 ミディアは気楽でいいよなあと口では言いつつ、シュウ自身もその通りだということはわかっていた。

 単純にシュウは数字にびびっているだけなのだ。


「明日もう一回新宿ダンジョンで配信しよう。前回より深い層までいくぞ」


「ゴブリン以外が出るところまでいきましょう。違う味も楽しみたいです!」


 大きな力が動き始めているとは知らずに無邪気なミディアとびびるシュウ。

 二人は案外いいコンビなのかも知れなかった。

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