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SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
第六章:私、先輩になります
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第9話:初めての撮影会


新生したお悩み相談は、順調な発進を遂げ、ぽつりぽつりとではあるけれど、


相談者が現れるようになった。


生徒会副会長という立場の昇進もあってか、

一年生に限らず、今まで見なかった人が訪れるようにもなってきている。


事実上、私のお悩み相談は復活を遂げたといってもいい。



本庄さんのファンと友達を作るという目標。

そして私のお悩み相談を復活させるという目標。

あの日約束した二つの目標は、両方達成したといってもいいかな。






ただ、その代償は、なかなか大きかった。






「本当にやらなきゃダメですか・・・?」


「そういう契約だしね。載せてあげた以上こっちの願いも聞いてもらわないと」


「ですよね・・・」


本庄さん側にどんな代償があったかは知らないけれど、私は、ある契約を交わした。

それは、新聞部の新江先輩に、私の記事を載せてもらう代わりに、私のコスプレ撮影会を行うというもの。



今日は、その初日。

先輩と交わした契約である以上、逃げるわけにもいかない。


と、言うわけで、今日は新江先輩と、写真部の撮影ブースに来ているわけだけれど・・・




「ってわけで、早速撮影に入ろうと思うんだけど」

新江先輩はカメラを調整しながら言う。


「今日は来週の体育祭に向けた広報誌用の写真なんで、運動着辺りでお願いね」


「私あんまり健康体じゃないですよ?」

運動とは無縁の体力の持ち主だ。


それもそうだけれど、流れで手渡された運動着は、間違いなく私のものでは無い。

私のは家にあるから。


「これ誰のなんですか・・・」

見知らぬ人の服とか着たくはないので、新江先輩に聞く。


「あ、それ私のだから安心して?撮影に使うのは私の私物か、新品か、信頼できるコスプレ衣装レンタル店からしか持ってこないからね」


「はぁ・・・」

信頼できるレンタル店なんてあるんだ・・・


「今回は普通に更衣室で着替えても問題は無いだろうけど、今後の為に、この撮影ブースの隅に簡易更衣スペースを作ったよ」


「あ、ありがとうございます」

それはありがたい。文化祭の時、凄い恥ずかしかったし。


と、部屋の角にあった試着室のような所で運動着に着替える。

私自身体育の授業はほぼ免除状態なので、運動着は準備体操くらいにしか使わない。

体育祭用らしく、赤いハチマキも付いている。


「お、着替えた?じゃ、早速外に行こうか」


「うぇ?」

外!?


「運動着だもの、外で撮らないとね」


「そ、そうですけど・・・」

ここでやるとばかり・・・まぁ校内には部活動の生徒がいっぱいいるので決して浮くことは無いけれども。






グラウンドでは、沢山の生徒たちが部活動にいそしんでいる。

そこを、私と新江先輩は歩いている。


「どこで撮るんですか?」

ふとそう聞いてみると、


「構図が決まりそうな所を見つけたらそこで撮るよ」

と、曖昧な返事をしてくる。

あんまりそこらじゅうを歩き回るのは勘弁してほしいんだけどなぁ・・・


と、外をしばらく歩いていたら、

丁度グラウンドから校舎へと戻る階段のあたりで、


「あ、ちょっと待って!」

と急に呼び止められる。


「ここがいい感じかな、よし、ここで撮ろう!」


「えっ!?」

本当に、急に撮影が始まってしまった。





「んー・・・もうすこし内股控えめで!」


「こ、こうですか?」


「うん。・・・あーでも全体的に動きがちょっと欲しいなー」

意外と本格的な撮影会に、私はあたふたしている。



「ちょっと手を頭にもっていこうか」


「は、はい」

そう言われてさっと右腕を耳の辺り持っていこうとしたとき、



いきなり少し強めの風が階段を吹き抜け、

「ひゃっ!」

と、声を上げてしまった。


「今だ!」

カシャシャシャシャシャシャ!!

と、新江先輩の方から掛け声と、相当数の連写音が聞こえる。



「あ、あれ、今撮ったんですか?」

タイミング的には私が風に煽られている時だ。


「うん!動きの大きい迫力のある写真が撮れたよ!」

嬉々とした表情で先輩は撮れた写真を見せてくる。


「・・・あれ?」

写っていた私は、なびく髪の毛を片手で抑えながら、真面目な目で軽く微笑んでいた。

どことなく、やる気とカリスマ性に満ちた雰囲気だった。

あんなタイミングで私こんな表情してなかったと思うんだけどなあ・・・



「私こんな顔してました?」

気になって仕方ないので、正直に聞いてみた。


すると先輩は得意げに、

「一瞬一瞬を切り取れば、思わぬ表情が紛れてるものだよ?」

と言いながら次の写真を見せてくる。


そこに写っていたのは、さっきのカリスマ感はどこへやら、

風に負けて、目を瞑っている私。


本当にあの一瞬だけああいう顔してたんだ・・・







初めての撮影会は、そんな感じだった。


6月12日


天気、晴れ


今日は、新江先輩との初めてのコスプレ撮影会の日です。

体育会に向けて、運動着での撮影でした。

突然の強風に慌てた私の一瞬を切り取った写真には、

私が知らない私の姿が写っていました。

写真って、意外と奥深いものなのだと、そう思いました。

でも新江先輩、写真部じゃなくて新聞部だよね?



記入者:六依由依

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