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SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
第六章:私、先輩になります
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第8話:新生お悩み相談っ!


日記を始めてから、普通の学校生活の、細かな所にも目を向けるようになった。

ガラスにヒビが入っていたり、緑色のチョークが無くなっていたり。


・・・ただ備品のチェック能力が上がっただけな気がする。


もっとこう・・・すれ違う人たちの会話とか、道端の小さな花とか、何気なく入った店で見つけた可愛い小物とか、そういうものをほんわかに書いていこうかなーとか思ってたんだけどね・・・



想像していたよりも現実的な観察力を身に着けた私は、

少し前に校内新聞に再掲してもらった私の記事の効果を確認すべく、投書箱をひっくり返してみた。


「あっ」


はらりと一枚の紙が落ちてくる。


「ついに・・・!」


今年度初めてのお悩み相談者。

やっと私も元の調子を取り戻せるかもしれない。


相談者は、一年生の本田 誠君。


開幕で転ける訳にもいかないし、初めての後輩へのお悩み相談。

絶対成功させないと。


この相談は、私の今後を左右する大事な一回。

嬉しくもあり、緊張もあり。

日記の筆が進むというもの。





数日後、久しぶりのお悩み相談に、15分も早く屋上に来てしまった私は、誰もいないのを良いことに、本庄さんから教えてもらった新曲のダンスを踊っていた。



「潤む涙を~、拭い~~」

小さな声で歌を歌いながら、軽いステップを踏み、

肩を、腕、指先を舞わせる。


私はどうやらリズム感やセンスは悪くないらしく、スルスルと、教えられたテンポを刻んで行く。



ただし、



それに体が付いてゆくかはまた別の話で・・・




「ふぅ、明日は・・・きっと~~・・・はぁ」

早々に息を切らし、否応なしに体の動作が遅れて行く。



「・・・ダメだ・・・無理・・・」

サビの途中でついに限界を迎えた私は、

手摺に寄りかかりながら大きく息を吐く。


日々の生活や、日課の散歩である程度は回復したとは思ってはいたが、まだまだのようだ。




遠くを見てぼんやり体を休めていると、背後でドアが開かれる音がする。


来たかな?


さっと振り向いて、先輩らしく丁寧な佇まいに立ち直す私だったが、


「えっと・・・六依先輩・・・ですよね?」


「そうだよ?」


普通に外見年齢で負けているので、先輩らしさも何もない。




「悩み事を聞いてくれるっていうのは、本当ですか?」


「うん。本当だよ」


「ありがとうございます!でですね、自分の悩みなんですけど・・・」





本田さんの悩みは、早くも勉強で躓きがちになっているというものだった。



「なるほどねー・・・どんな勉強してるの?」

少し慈悲を込めたような優しい口調で話す。

・・・そんな事今までやったこと無いけど。


「そうですね・・・ふつうに問題集やったりとか・・・」


「勉強してないわけじゃないのについていけてないって事は、勉強の仕方が合ってないのかもね」


「・・・じゃあ、どんな勉強法が良いんでしょうか・・・」


「うっ・・・そ、それはわからないけど・・・」

人にあった勉強法なんて分かんないよ・・・



でもこのままだと何の解決にもならないし・・・

「あっ!」


ふと一つの案を思い出した私はうっかり大きな声を上げてしまう。

「な、なんですか?」


「私の勉強法を教えてあげようか?」

私が高校に合格するための勉強法。


「先輩の?」

相変わらず先輩呼ばわりされるのは慣れ無いなぁ・・・


「うん。記憶喪失になった私が半年で高校合格までもっていった勉強法だよ?」


「へぇ・・・なんか凄そうですね」


「合うかどうかはわからないけど、勉強法を変えてみれば何か変わるかもね」


「なるほど・・・」


「あ、でもここじゃ机無いし、何か書ける所に行こうか」

机も何もない屋上で勉強法を教えるのは大変だ。



そう思い私達は校舎へと戻ると、すぐそこで三島先輩と出くわした。







「あ、先輩」

私が声をかけると、先輩はいつもの調子を全く崩さず、


「ああ、六依さんか、お悩み相談は終わったのかい?」


「いえ、これから何か物を書ける部屋に行こうと思うんですけど・・・」


「ふーん・・・一応、今日は生徒指導室開けてもらってるはずだからそこ使うといいよ」


「わかりました」


「ま、場所移動したことは、こっちで会長に言っとくから」


「はい」

それだけの会話を交わし、三島先輩と別れ生徒指導室へ向かった。


先輩、最近よく出会うなぁ。







その後、私は勉強法を教えてあげた。

短期間で覚えられる私の勉強法。

本当にあれが正しかったかどうかはわからないけど、実際合格出来てるんだから、効果はあるよね。





「・・・ふぅ、こんなところかな。どう?できそう?」

一通りの勉強を教えた私は、少し満足気に問いかける。


「はい。これなら大丈夫そうです!教えてもらってありがとうございます!」


「勉強、追いつけるようになるといいね」


「はい!」


そう言って、本田さんは部屋から出て行った。







私、今の成績は並中の並だけど、あんな偉そうな事言ってよかったのかな?


まぁ、あれで上手く勉強が出来るようになってくれれば大丈夫かな?


ともかく、大事な初回、失敗にはならなくて良かった。



今日の日記はいい気分で書けそうだ。

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