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SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
第六章:私、先輩になります
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第3話:オンステージ


部活動見学会が終わり、その結果が出るその数日の間に、

私はまた都会へと出ていた。


鈴と朱音さんは部活動があるので、今回は私一人だけだ。


今日都会へと出てきた理由。


それは、アイドルユニットPeacE.のライブがあるから。


PeacE.のファンになって、そして、ミライちゃんの親友になって、

初めてのライブだ。


だけど、






「私こっち側でいいの?」


何故か私は今、ライブ直前のPeacE.の舞台裏に居る。



「由依ちゃんは、恩人だもの。ね?ミライちゃん?」

事情を知るルリさんが言う。

「そっ、そうですね・・・」

それに本庄さんは恥ずかしそうに答える。


「あれからミライちゃんちゃんと体調に気を遣うようになったし、一層可愛くなって、やっとアイドルらしくなってきたわ」


「ルリさん・・・」

本庄さんとルリさんの関係も良好そうだ。



でも、

本庄さんとルリさんはともかく、それ以外の人たちにとっては、私は部外者・・・

あ、一応イブライブの時にもいたから、本庄さんの友人って事は知っているかもしれないけど、今舞台裏に居るのは違和感感じてるんじゃないかな・・・



と、他のメンバーを見てみると、

第五期の新規メンバーは不思議そうな目で私を見ているけど、

既メンバーは割と普通の顔をしていた。


そんな周囲を見渡している私に気が付いたのか、既メンバーの一人であるメグミさんが近づいてきた。


一応PeacE.のファンになるって本庄さんに言ったのでPeacE.のメンバーは覚えた。


「こんなところにいて場違いかも・・・って、思ってない?」


「・・・思ってます」


「私たちはあんまり気にしてないから大丈夫だよ」


「そうなんですか?」


「うん。ルリさんよく仲良くなった人をここに呼んでくるから・・・」

メグミさんは、半分諦めが入った顔で言う。


「へ、へぇ・・・」


「今回も、君はミライちゃんから呼ばれたのかもしれないけど、原因はルリさんだからね」


「そうだったんだ・・・」

本庄さんから渡されたのがライブのチケットじゃなくて職員通用口から入れる特別通行証だった時は、一体何をしたんだと思ったよ。


「お陰でDVDの特典映像が作りにくいって、プロデューサー達がぼやいてるよ」


「それやっぱり私ここにいたらまずいんじゃ・・・」


「最低限円陣の時とかには遠くに居てくれれば大丈夫」


「は、はい・・・」


でもそんな事言われたら、あんまり近づけないよ。






ライブ直前、皆で円陣を組んでいるのを私は遠くから見ている。


やっぱり皆で気合を入れるってなると、これが定番なんだろうか。


「じゃあ、今回のライブも頑張っていきましょうか」

センターのルリさんが音頭を取る。


「皆の合言葉はー?」


「「「「PeacE.(ピース)っ!!!」」」




奇麗に揃った掛け声と、高く掲げられた右腕は、

爽やかで、熱くて、光って見えた。

これがアイドルなんだなぁって、

上手くは説明できないけど、圧倒された。


やっぱりアイドルって、輝いてるなぁ。









『皆ー!!今日もPeacE.のライブに来てくれてありがとー!!』

ライブが始まり、メンバーはステージへと出て行った。

私はそれを端っこの方から眺めている。



アイドルのライブを、舞台裏から見るなんて、

想像もしたこと無かった。


確かに距離は近いけど、

皆は観客席側に向かってアピールしているので、当然と言えば当然だけど、

こっちから見てもさほど感動は無かった。





ああいうのって、やっぱりアイドルと、観客と、その両方の空気感が合わさってやっと完成するんだと思う。





でも、近い分、皆の表情はよく見える。

皆楽しそうだ。


そうゆう意味では、私の見たかった物は見れたって言ってもいいかもね。







『今日も皆ー!ありがとーっ!』


ライブが終わり、ステージから皆が戻ってくる。



「皆さん、お疲れ様です」

と、私もスタッフに紛れて皆を迎える。


一応衣装変えの為に何度か戻ってくることはあったけど、その時は皆忙しそうだったので声はかけられなかった。




「ふぅ・・・どうだった?あたしのライブ?」

本庄さんは私を見つけて笑顔で聞いてくる。


ライブ直後なので、顔には若干疲労が浮かんでいるし、汗だくになっている。


「うん。凄い楽しそうだったよね」


「やっぱりわかる?今日のライブはイブの時のライブ並に楽しかったね」

本庄さんは満面の笑顔で言う。

さっきまで浮かんでいた疲労を覆い尽くしてしまうほどに。


「あの日、楽しむ事を取り戻すって、言ってたもんね」


「うん。おかげで今、スッゴい楽しいよ」


「表情もだいぶよくなったわねー」

突然私達の間にルリさんが割り込んでくる。


「やっぱり、営業スマイルって、解る人にはわかっちゃうのよね。だけど、今日スマイルは心からのスマイルだったわね」


「はいっ!」

本庄さんは元気よく返事をする。


「これなら、ファンも増えるんじゃないかしら?」

ふふふっ、と笑うルリさんの顔には一切の疲れも見えないし、汗もさほどかいていない。

センターだから、誰よりも激しく歌って踊ってたはずなんだけど・・・


「ルリさん・・・全然疲れてるように見えないですね」

私はふと聞いてみた。

するとルリさんはその笑顔を崩さずに、


「疲れてるわよ?まぁ、そこをいかに隠せるかがアイドルの肝よね」

そう言って、軽くポーズをとりながら、


「営業スマイルはバレちゃうけど、疲労隠し程度なら、普通になんとかなるのよ?」

と、そういい放って、楽屋に戻っていった。






アイドルって、凄いなあ・・・






「由依ちゃん」

立ちすくむ私に本庄さんが声をかける。


「ルリさん、多分あれまだまだ余裕だと思うよ。疲労隠し以前に、あの人スタミナ化物だからね?」


「そ、そうなんだ・・・」







アイドルって、凄いなあ・・・

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