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SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
第五章:いつものわたしじゃいられない
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第9話:嵌められた私


バレンタインデー。


好きな人にチョコを渡す日。


私?無理無理。





だけど、鈴がスイーツ食べ放題のチケットをどこかからか手に入れて来ていたので、

二人で食べに行く事にした。


「っていうか、鈴は渡したい人いないの?」

チョコ。


「居るよ?でも今日日曜日だし明日渡す」


「居るんだ・・・」

私が知らない間に鈴も動いてるんだなぁ・・・


「そりゃあお姉ちゃんがいない時は普通に青春してるし?場合によってはお姉ちゃんより早くくっつく可能性もあるね」


「うっ・・・」

動けない私を煽ってくる。


「まぁとにかく、今日は気合入れた格好にしないと」


「なんで?」

二人でスイーツバイキングでしょ?


「バレンタインデーにスイーツバイキングだよ?周りの客層だってガチ中のガチに決まってるじゃん。こっちも気合入れておかないと浮くよ?」


「そっか・・・何着ていこう・・・」


「前二人で買ったやつがあるじゃん。それでいいんじゃない?」


「あれ?・・・まぁいっか」

あれは本当は・・・その・・・本気用っていうか・・・

まぁ今の季節のうちに機会がくればだけど・・・









---------------






最寄りの駅に着くと、そこには牧原さんが居た。


えっ!?何で!?


「あ、慎二君」


「お、六依姉妹か、どうした?」


「じゃーん」

鈴がスイーツバイキングのチケットを取り出して見せびらかす。


「へー、女子っぽいな」


「女子だよ」

鈴と牧原さんは仲良さそうに話している。

それを私は一歩引いた場所で見ていた。


「二人で来てるって事は、そこにも二人で行くんだよな?」

牧原さんはこっちを見て言う。


「えっ、う、うん・・・そう・・・」

私もいそいそとチケットを取り出して見せる。


「そっ、そういえば・・・ま、牧原さんは・・・どうしてここに・・・?」


「朱音と待ち合わせしてるんだよ」


「そ、そうなんだ・・・」

休日に二人で出かけてるって言ってたし、おかしくはないかもね。


「じゃ、じゃあ、私たちはこれで・・・」

駅の改札の方へ向かおうとしたとき、


「あ、ごめんお姉ちゃん、ちょっとトイレ行ってくる。ここで待ってて!」

そう言って鈴が自分のチケットを私に押し付けてさっさと走り去ってしまう。


待ってよ!なんでここなの!?私と牧原さんを二人っきりにしないでよ!



「・・・・・・」


「・・・・・・」


急に気まずい雰囲気になる二人。


どうしよう・・・

いや別に何か話さなきゃいけないって訳じゃないんだけど・・・



「「あのっ」」

二人の声がハモる。


あああああっ!

最悪っ!


最悪のタイミング!


そこから二人とも動けないでいると、ふとスマホが震える。


「あっ、ちょっと待って、なんか来たみたい」

気まずい空気を打ち払う絶好の言い訳。

だけど、どうやらそれは牧原さんも同じみたいで、


「ん、俺の方にも何か来たな」


二人してスマホを取り出す。

どうやらLINEで連絡が来ているようだ。

お悩み相談でも使っているので、私のアカウントは連絡先だらけになってしまっている。



鈴「どお?二人っきりの状況は?」


鈴?


鈴「わたしは帰るから二人でスイーツバイキング楽しんで来てね」


「えっ?」

思わず声を上げる。


鈴「慎二君って呼んでみればいい雰囲気になれるかもよ」


待って、待って!?どういう事?

鈴帰るの!?

まっ、牧原さんと!?

えっ?


無意識のうちに視線を牧原さんの方へと向ける。


牧原さんも唖然とした表情でこちらを見ている。


・・・え?



「その・・・朱音さんは・・・?」


「・・・来ないって・・・まさか・・・」


「鈴も・・・帰るって今・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


嘘でしょ!?


こんなところで二人っきりにして!


待ってよ!待ってよ!


どうすんのこれぇ!


家出る時に、気合入れた格好にしてって言ってたのも!

トイレ行くときにチケットだけ押し付けてきたのも!

全部!全部!この時の為の!!


鈴ぅぅ!!



「ど、どうしよう・・・」

震える声で言うのが精いっぱい。下手すると泣く。


「あの・・・元々の予定とかは・・・」


「・・・ええっと・・・・・・これが・・・」

手元にあるのはスイーツバイキングのチケット。


これを・・・牧原さんと・・・?


「そこ・・・行くか?」


えっ、いやその・・・


「そ、そっちの予定は、何だったの!?」


「俺の方は何も聞いてない・・・ただちょっと付き合ってとしか・・・」



・・・ちょっと前に自分で何とかしないととか言ってたくせに!


いきなりこんな事されて!


嫌じゃないけど!けど!


いきなりこれは早すぎる!!





「・・・じゃあ・・・やっぱり・・・」

手元のチケットに目を落とす。


「そこに行くしか・・・ないか・・・?」


「・・・うん・・・」










-----------------










来てしまった・・・・・・



目の前にはスイーツバイキングの入口。

バレンタインデー特別フェスティバル中!

と書いてある。



沢山のカップル達が並んでいる。

その中に私たち。



デートじゃん!

デートじゃん!


こんなんデートじゃん!



心拍が上がり過ぎて死にそう。


もはやスイーツどころではない。

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